Googleアシスタントなど操作性もチェック

レトロな外観に機能満載の“ギャップ萌え”ヘッドホン。パイオニア「S9 wireless noise cancelling」レビュー

折原 一也

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2019年03月08日

低域中心に効くノイズキャンセリングと、高域を印象的に響かせる音作りが組み合わさる

まずはノイズキャンセルの効果を確かめるべく、S9 wireless noise cancellingを装着して外出してみる。ノイズキャンセル・オフの状態はイヤーパッドによる自然な遮音性頼みになるのに対して、ノイズキャンセル・オンにすると低域を中心に騒音をカットしてくれる。人の声の帯域に手を加えないことがコンセプトとのことで、電車や駅のアナウンスや周囲の物音はそれなりに残し、電車の響くような騒音は低減が確認できた。

“外音取込”の状態では、オフの状態と比べても外部の音を明瞭に聞き取ることができる。低い物音の聞こえ方も違っていて、マイクで拾ったような高感度な聞こえとなる。この状態なら音楽を聴きながらでも外の音が認識でき、ヘッドホンを付けたまま移動する時などに有効活用できるだろう。

ドライバーのスペックはハイレゾ対応の基準を満たしている。良いアンプとプレーヤーが手元にあるなら、有線接続でも楽しめる

iPhoneで実際に聴いてみたS9 wireless noise cancellingのサウンドは、金属ハウジングでハイレゾ対応というキーワードから連想する通り、エネルギーバランスを高域に集中させて音楽の細部まで描き出してくれる。宇多田ヒカルの「あなた」を聴いても、声の高域部を印象的に引き出す。

「シャロウ 〜『アリー/ スター誕生』 愛のうた」では、ライブの生々しさを乾いた空気感のなかで引き出し、アコースティックギター特に高域の響きが美しい。『ラ・ラ・ランド』のサントラよりジャズ音源「アナザー・デイ・オブ・サン」を聴くと、音場はやや狭めだが、ピアノの軽やかなタッチを小気味良いサウンドで再現してくれる。全般的に重低音の鳴り方は控えめなので、大音量でリスニングしてもバランスが崩れないのは好印象だ。アプリに追加された「バスブースト」機能を使えば、ズンズンと響く重低音を求める人にも対応できそうだ。

aptX HDでの接続ならサウンドがさらに明瞭に

プレーヤーをaptX HD対応のGRANBEATに代えると、より明瞭なサウンドを味わえる。宇多田ヒカルの「あなた」はエネルギッシュに、耳に近い位置で高密度な情報を引き出し、「シャロウ 〜『アリー/ スター誕生』 愛のうた」では個々の楽器の音が埋もれることなく素早く立ち上がる。「アナザー・デイ・オブ・サン」は、ウッドベースの音階がクリアで、全体も見通しも良く鳴らしてくれる。



レトロモダンな外見を備えたパイオニアのS9 wireless noise cancellingだが、その中身はデザイン・機能・サウンドの全方位にこだわるバランスの取れた先進的なヘッドホン。見た目に惹かれて手に取れば、ノイズキャンセル、Googleアシスタント搭載、aptX HDによるリスニングクオリティの向上と、様々な角度から楽しませてくれるであろうモデルだ。

(折原 一也)

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