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イマドキ音楽との相性抜群

音質・外観・使い勝手のすべてが洗練。新世代の完全ワイヤレスイヤホン「YEVO AIR」を聴く

公開日 2018/08/24 15:29 高橋 敦
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再生や音量などのリモコン操作は物理的なワンボタンでのコントロールとなり、タッチ操作と比べて「うっかり触って誤動作」といったことは少ないだろう。ボタンにはやや硬めのクリック感で、人差し指と親指でイヤホン全体を摘むような感じで押すと操作しやすい。

操作はワンボタン式。しっかりクリック感があり、押し間違えなどはなさそう

そのほか、防滴仕様は従来モデルから継承。ちょっとした運動や突然の雨といったシチュエーションでも不安はない。Bluetooth伝送コーデックもSBC&AACと、基本を押さえている。左右接続の安定性は、左右Bluetooth接続タイプとして平均的な水準に達している印象だ。

ミドルレンジを程よくプッシュして、ボーカルやベースの存在感を向上

音調は、素直な感触にまとめる高域や、中域側の太さでボディ感を出す中低域など、屋外での聴き取りやすさ、聴き心地の良さを意識したと思われるリスニング向けチューニング。テクノロジーを重視するブランドであるが、シビアな再現性を無理に狙うことなく、全体にバランスのとれた音作りに好感が持てる。

イヤホンは両耳で9gと軽量。また防滴仕様も備えており、突然の雨などにも対応可能

小型で装着もしやすく、フィット感も良好

特に印象的なのは中域、ミドルレンジの押し出し具合だ。ボーカルとベースをほどよくプッシュしてその存在感を強めてくれる。歌が主役のポップス、ベースの活躍が印象的なポップスやロックでは、その持ち味が映える。それはつまり、イマドキのポップス音楽と相性が良いということだ。

ミドルの押し出しの巧さはベースに注目すると分かりやすい。ベースの音像を大柄に膨らませる帯域ではなく、その上にある、音の芯を骨太にする帯域が押し出されている。擬音で表すなら「ボワン」ではなく「ゴツン」の帯域、とでも言えば良いだろうか。ファットさではなくガッツを出してくる感触だ。とはいえ、クラブ系のディープなベースも、もちろんしっかり再生できる。

ブラックの他、ホワイトカラーも用意される

高域は、基本的にシャープさや伸びやかさを無理に稼ごうとせず、素直に落とし込む方向でまとめ上げてある。例えばギターのエッジ感やアタック感はいい感じに強めに出してくれるといった具合だ。ペトロールズの曲を聴くと、ピッキングの瞬間のカチッというタッチ、テレキャスター的なパキッと硬質なアタックが心地良く届いてくる。



完全ワイヤレスイヤホンはこれまでのイヤホン、ワイヤレスイヤホン以上に、音だけではなく技術面、使い勝手も含めた上でのデザインなど、総合的な完成度が高くないとユーザーに満足を与えられない。YEVO1、そしてYEVO AIRは、それをしっかり理解し、実現する技術を備えている。新世代イヤホンを牽引する存在として注目したい。

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