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音質、機能、ポータビリティが揃う優秀モデル

圧倒的に音が良いiOS端末向けマイク、SHURE「MV88」は “モバイルジャーナリスト” にもうってつけ!

公開日 2018/08/23 06:00 山本 敦
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モバイルジャーナリストは、イベントや記者発表会の様子を動画に撮ったり、場合によってはスマホのカメラをセルフィー(自撮り)モードにして片手に持ち、フロントカメラを自分に向けながらコメントを記録した動画レポートをアップする。周囲がザワザワしているイベント会場だと、iPhoneの内蔵マイクの集音性能ではやや心もとないが、そんな時に活躍するのがMV88のように高性能な外付けマイクだ。

スマホと周辺機器を駆使した動画レポートも多い。ジンバルなどと組み合わせるとさらに便利

対象となる製品やサービスのデモなどを外カメラで撮影しながら、マイクは自分に向けて撮影。説明する自身の声をしっかり拾ってくれる

今回取材現場で撮影した動画および音声ファイルでMV88の音声を聴き比べてもらえば、iPhoneの内蔵マイクで記録した音とクオリティの差が、アマチュアとプロほど大きいことが分かって頂けるだろう。



MV88のマイクカートリッジは、前方からの音声を直接拾えるカーディオイドパターンのカプセルを1基と、左右方向の音にフォーカスする1基の双指向性カプセルを組み合わせた「ミッドサイドステレオマイク構成」としている。

前方の音声を拾うカーディオイドパターンのカプセルを1基、左右方向の音にフォーカスする双指向性カプセルを1基搭載する

動画インタビューを撮る場合は、アプリのプリセットパターンから「モノ双方向性」を選択して、マイクの左右がインタビューの相手と自分に向くようにセッティングするとクリアな音が記録できる。解像度がとても高いので、周囲の環境音から現場の空気感がリアルに伝わってくる。

マイクの左右がインタビュー相手と自分に向くようセット、「モノ双方向性」を選択するとクリアな動画インタビューが撮影できる

動画の画質は最大4K/60pで撮影できる

マイク部は90度に折れるヒンジと左右に回転する機構を備えているので、ポジショニングは自由自在だ。私はふだん、これから執筆するレポートのアイデアをレコーダーに吹き込み、録音を聞き直しながら原稿の下書きをまとめるという技を使う。こうした“セルフ録音”の際にはiPhoneを平らな場所に置き、マイクを口元に向けてアプリのプリセットから「モノカーディオイド」を選ぶと、納得のいく高品位な音が録れる。

マイク設定はこれまで紹介したモノ双方向性、モノカーディオイドに加えて、RAWミッドサイドが選択できる

またマイクの先端に取り付けられるウインドスクリーン(風防)が同梱されているし、アプリから「ウインドノイズリダクション」のメニューをオンにすれば、屋外使用時の風切りノイズが二重にブロックできる。モバイルジャーナリストは、いつどういう状況で録音が必要になるかわからない。それぞれのツールを活用しない手はない。

iPhone内蔵マイクと比べて圧倒的にクオリティの高い録音ができる

ウインドスクリーン(風防)も同梱。アプリ側でウインドノイズリダクションのON/OFFも設定できる

細かな使いこなしでは、アプリの「マイレコーディング」リストから録音済みファイルに名前を付けたり、取材現場で撮影した画像をサムネイルに設定しておけば後からファイルを探し出すときにとても便利だ。

録音ファイルの名称変更、サムネ画像の設定、共有などができる

音質はAAC、Apple Losslessに変換可能

さらに、ファイルリスト右端の「…」アイコンをタップするとメニューリストが表示され、「共有」を選択すると録音したファイルをメールやLINEで送ったり、Dropboxへの転送を選べるようになる。AirDropを活用すれば、iPhoneとMV88で録音したファイルをMacやiPadにコピーして、作業をとてもスムーズな流れで引き継ぐこともできた。



ジャーナリストにとって録音機は、デジカメやノートPCと肩を並べる「三種の神器」である。特に録音機は全てのライター、ジャーナリストにとって“武士の刀”のようにに大事なものだ。本当に「使える」録音機を選ぶ際には、音質とポータビリティ、そしてスマホ連携による便利な機能まで広く目を向けながら、総合力を評価することがとても重要だ。シュアのMV88をじっくりと使ってみて、この当たり前のことを改めて強く実感させられた

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