【編集部員気まぐれレビュー】

グラフェン採用で3,000円台! パイオニアの高コスパイヤホン「SE-CH3T」レビュー

編集部:成藤正宣

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2018年04月18日
いわゆる高級イヤホンが数多く世に出回るようになってから、もう10年以上になるだろうか。音質を高めるため矢継ぎ早に新しい技術/素材が投入され、様々な音が楽しめるようになったが、コストも高騰。今では5万円、10万円程度のイヤホンは珍しくない。

とはいえ、そうして高級機の開発で培われた技術は、裾野である普及価格帯へ着実に反映されつつある。特に1万円を切るエントリークラスの音質の進歩は目覚ましいものがあって、音にも構造にも興味を惹かれる製品が登場している。

その中のひとつ、安価ながら高級機顔負けの最新素材を投入した製品が、3,000円台でハイレゾに対応しているパイオニアの「SE-CH3T」だ。

PIONEER「SE-CH3T 」¥OPEN(予想実売価格3,400円前後)

パイオニアは、昨年も手ごろな価格帯のハイレゾ対応イヤホン「SE-CH9」「SE-CH5」を発売し、ヒットさせているが、SE-CH3Tはモデル名から分かる通り、その弟分にあたる。とはいえ、音に対するアプローチは兄弟機とはずいぶん異なっている。

「SE-CH9」(左)「SE-CH5」(右)は、比較的手ごろな価格と整った音質が特徴。一時は品切れを起こすほどのヒット商品となった

■最新素材“グラフェン”をドライバーに採用

SE-CH3Tは、ステージモニター方式の耳掛けスタイルを採用していた兄貴分から一転、ケーブルを下方に垂らすトラディショナルなイヤホンの形状に回帰した。しかしハウジングが円筒状のシンプルな形状であるため、好みに応じて耳掛けスタイルで装着することも可能だ。

余分な飾りのないシンプルでミニマルなデザイン

アルミ製のハウジングに収まっているのは、Φ5.5mmの超小型ダイナミックドライバー。強力なマグネットを内蔵しており、しかも振動板には“グラフェン”によるコーティングが施されている。

L/Rの表記だけが施されたアルミハウジングに、超小型ドライバーを内蔵している

“グラフェン”というのは2004年ごろから研究の進んだシートのような物質で、炭素の原子が蜂の巣状に並び、それでいて厚みは原子1個分という形状だ。このグラフェン、軽くて伸縮性があるのに、引っ張る力には大変強く、平面での頑丈さはダイヤモンド以上なのだとか。

ところでイヤホンの振動板の素材は、軽くてしなやか、頑丈さもあり、余分な振動をしないものが最適と言われている。グラフェンが目を付けられないわけがない。

結果として生まれたグラフェンコート振動板は、クリアな音、細かな音の変化にも反応する反応性、そして高音の伸びを特徴として、いくつかのメーカーで採用されている。そしていよいよ3,000円台のイヤホンでも使われる時代となった。

音はサイズや価格からは想像できないほど

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