熱気に満ちた音質のフラッグシップ機

贅を尽くした強靭な筐体に旗艦技術を投入。エソテリックのネットワークプレーヤー「N-01」レビュー

逆木 一
2018年04月11日
ESOTERIC(エソテリック)から、ネットワークプレーヤーのフラグシップモデル「N-01」が遂に登場した。Grandiosoで培った高度なDA変換テクノロジーを搭載し、アルミ削り出しの高級感ある重量級の筐体に、高度に進化したデジタル再生技術がふんだんに盛り込まれた本機は、まさに“新世代ネットワークプレーヤーの幕開け”とも言える。本稿ではファイル再生の第一人者である逆木 一氏がレビュー、エソテリック最新鋭機のサウンドを聴く。

ESOTERIC ネットワークプレーヤー「N-01」¥1,400,000(税抜)

Grandiosoの技術を投入。安定性に優れた再生を実現

エソテリックからネットワークオーディオプレーヤー「N-01」が登場した。本機は先に発売された「N-05」の上位機にあたる。N-01は、価格・内容ともに紛れもないハイエンド仕様のネットワークプレーヤーであり、同社が「一体型デジタルプレーヤーのフラッグシップ機」と呼ぶ「Grandioso K1」のために新規開発されたDACモジュールを搭載するあたり、本機に対するエソテリックの本気度が見て取れる。

左右独立のDAC回路やデジタル回路だけでなく、ネットワークモジュールにも専用電源を用意し、合計四つの大容量トロイダルトランスを搭載するなど、オーディオ機器としての徹底的な作り込みと物量投入が成されている。あくまでネットワークオーディオプレーヤーとして発売された機器で、贅を尽くした強靭な筐体も含めて本機と同じレベルの物量投入がされたものとなると、電源別筐体ではあるもののスフォルツァートの「DSP-01」くらいしか思い浮かばない。

写真左が上から、写真右が下からの内部の様子。2階建て構成で最短経路の配線を実現し、肉厚のアルミニウムとスチールによる高剛性な2層シャーシを採用。スチール製ボトムシャーシは5mm厚で、独自のピンポイントフットの4点支持となる

最初は、本機のネットワークプレーヤーとしての機能について見ていく。まず、音元出版の試聴室におけるハンドリングの結果として、N-01は「音楽再生機器として当たり前に求められる機能」をきちんと備えたネットワークプレーヤーであると言っておきたい。本機のコントロールアプリは定評あるルーミンのアプリをベースとした極めて完成度の高いもので、再生操作に対して素早く反応して安定性にも優れ、ギャップレス再生/シーク/スキップも問題なく機能する。再生している音源の情報も、フォーマットを含めて表示される。

リスニングチェアに腰かけたまま、手元の端末から自分のライブラリの全てにアクセスし、聴きたい曲を自由自在に聴く。ネットワークオーディオならではの快適な音楽再生のスタイルを実現するためには、ネットワークプレーヤー自体の機能と優れたコントロールアプリの両方が不可欠であり、N-01は実際にそれを実現可能なネットワークプレーヤーである。

なお、本機はUSBストレージを接続することで、簡易的ながらミュージックサーバーとしても使用可能。これは別途NASなどを用意することなくネットワークオーディオの醍醐味を味わえるという点で、これからネットワークオーディオを始めようというユーザーにとって見逃せないメリットだ。

背面のUSB-A端子に外付けUSBメモリを挿せば本体をNASとして利用可能に

再生の際は操作アプリの「ミュージックライブラリ」から「ESOTERIC N-01 USB MusicServer」を選択

最高レベルのスペックにも対応。選択はユーザーに委ねられている

近年世界的な興隆を見せているストリーミングサービスでは、TIDALとQobuzに対応する。TIDALはTIDAL MastersによるMQA配信、QobuzはFLACでハイレゾ音源の配信を始めるなど、既にストリーミングサービスでCD以上のスペックの音源を楽しめる時代が到来している。

背面部。デジタル入力端子としてUSB typeB/ETHERNETを各1系統の他、AES/EBU(XLR)/RCA 同軸/光TOSも装備。USB-DACとしても利用可能な上、USB TypeA端子で外付けストレージを接続すればNASとしても使える

また、N-01はMQAにも今後対応予定なので、ユーザー自身が保有する音源のみならず、これらのストリーミングサービスの真価を最大限享受することが可能となる。また、N-01はRoon Readyへの対応も予定しており、その暁には現状で先進的なネットワークプレーヤーに求められる全ての機能を網羅すると言っても過言ではない。

N-01をUSB DACとして使った時、再生可能なフォーマットはネットワークプレーヤーを超え、PCM 768kHz/32bit、DSD 22.6MHzに達する。これは一般に発売されている音源の最高スペックを上回る数値であり、再生可能な音源のスペックという点で、今後本機が陳腐化するなどということはまず起きないはずだ。

(逆木 一)



本記事は季刊・Net Audio vol.28 WINTERからの転載です。本誌の詳細および購入はこちらから。

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