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“今まで”と“これから”を結ぶ未来形デジタルシステム

エソテリック「P-05X/D-05X」レビュー。奏者に一歩近づく再現性を備えたトランスポート/DAC

公開日 2017/12/12 13:02 山之内 正
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最新DACチップの採用で、ブランド最先端の仕様を実現

まずは2機種の概要から紹介する。D-05Xは、Grandioso D1の設計思想を投入して、前作からほぼ全てを一新した最新DAコンバーターである。DACチップにはAKMの「AK4497」を採用し、チャンネル当たり差動4回路のDA回路を構成、低歪みとS/Nを確保した。

DACチップにAK4497を搭載したことで、最大で768kHzのPCM信号やDoPによるDSD 11.2MHz再生、ASIO NativeによるDSD 22.5MHz再生にも対応した

内蔵するDACはエソテリック製品の中でも最新世代となるが、D1と「D-02X」はどちらもチャンネル当たり差動16回路構成なので、回路規模では上位機に譲る。とはいっても、32bit DAC4回路の処理能力は文字通り桁違いの余裕がある。D-05Xの場合は、PCM信号を34bit精度のアルゴリズムで処理しており、D-05比では4倍の解像度で、階調表現の飛躍的な改善が期待できる。

ダイレクト処理を行うDSD信号のサンプリング周波数は、USB接続では最大22.5MHzまで対応(PCMは最大768kHz/32bit)、ファイル形式の対応度では、エソテリックのDAコンバーターの中で最先端の仕様を満たしている。なお、PC用再生ソフトの「HR Audio Player」も本機の発売に合わせてアップデートし、22.5MHzの再生をサポートする。

最新世代「ES-LINK」を、P-05X/D-05Xを結ぶ伝送方式に採用

P-05Xとの信号伝送には、Grandiosoから受け継いだ基幹技術のひとつとして「ES-LINK 4」を採用。オーディオ信号、ビットクロック、L/Rクロックの3つの信号を独立して差動で伝送する最新仕様で、接続には同梱のHDMIケーブルを各チャンネル1本ずつ使用する。ただし、信号伝送規格はHDMIとは無関係で、あくまでエソテリックの独自方式である点に注意したい。

D-05Xの背面部。ES-LINK4のほか、デュアルAES伝送に対応したAES/EBU、USB(Bタイプ)入力を装備する

ES-LINK 4での接続時は、オーバーサンプリングなど演算量の多い処理をP-05X側で行うため、/D-05Xの負荷が最小となる。具体的には、DAC内の信号処理の中で前段に相当する8倍のオーバーサンプリングをトランスポート側で実行して送り出すため、DAC側は後段のDA変換処理を集中して受け持つことになり、音質改善が期待できるというわけだ。そのほか、P-05Xは従来のES-LINKに対応するデュアルAES出力や同軸出力が利用でき、BNC仕様のクロック入力も備わる。

P-05Xはメカニズムに「VMK-5」を採用したCD/SACDトランスポートで、同社のセパレート型としてはベースモデルに相当。VMK-5は3グレードを揃えたVRDSメカのエントリーという位置づけで、一体型モデルでは「K-05X」に同じメカが採用されている。

大型の電源トランス採用やES-LINK4対応など、よりパワフルなデジタル伝送を可能とした

筐体は上位機種に比べると高さを抑えているが、アルミとポリカーボネートを組み合わせたターンテーブル機構を持つVRDSメカの信頼性と、軸摺動型ピックアップの高精度な読み取り性能は、他の追随を許さない高水準だ。

高精度アルミニウムとポリカーボネートによるハイブリッド・ターンテーブルの採用や軸摺動型ピックアップなど、信号読み取り精度は極めて高い

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