“今まで”と“これから”を結ぶ未来形デジタルシステム

エソテリック「P-05X/D-05X」レビュー。奏者に一歩近づく再現性を備えたトランスポート/DAC

山之内 正

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2017年12月12日
音楽がデータとなり、クラウドから自由に聴きたい曲が選ぶことができる現在においても、なおクオリティを求め、作品に閉じ込められた物語を追求すべく、ディスクやハイサンプリング・データにこだわる方は多い。また音楽との付き合い方が時代と共に変化し多岐に渡っていく一方で、伝送方法は飛躍的な進化を遂げている。本稿ではエソテリックの最新セパレートプレーヤー「P-05X/D-05X」を紹介。変化する現状において、“今まで”のメディアと“これから”を結ぶデジタルシステムへと仕上がった2機種のサウンドを、山之内正氏がレポートする。

(写真上)SACD/CDトランスポート「P-05X」700,000円(税抜)、(写真下)DAコンバーター「D-05X」700,000円(税抜)

フラッグシップの技術を投入、10年の時を経てリファイン

セパレート型のディスクプレーヤーは、ハイエンドオーディオの中でも特別な存在とみなすべきだろう。ディスク再生と信号処理をそれぞれ独立した筐体に分けることで性能を突き詰め、ディスクに刻まれた情報をもれなく引き出す。コストやサイズの制約に縛られず、一体型では真似のできないコンストラクションや強力な電源部など、音を良くするためのノウハウをふんだんに投入することができる。まさに、“究極の音”を求める人には欠かせないアイテムと言えそうだ。

セパレート型として設計することで、新しい価値を獲得する例も少なくない。特にDAコンバーターは、トランスポート以外に多様なソースコンポーネントからデジタル信号を受け入れ、信号の形式に応じて最適なアナログ変換を行うなど、デジタルオーディオのプロセッサーとして重要な役割を果たし得る。

Grandioso D1の設計思想を投入した最新DAコンバーター「D-05X」

D-05Xと最新「ES-LINK」で接続して使用するSACD/CDトランスポート「P-05X」

さらに、トランスポートとDAコンバーター間の信号伝送は同一メーカー同士なら方式や規格の制約を受けないので、最良の結果を求めて独自方式の信号伝送方式を導入することが可能だ。デジタルプロセッサーという切り口でとらえると、読者の皆さんの興味ともシンクロする部分が多いのではないだろうか。

セパレート型プレーヤーは海外メーカーだけでなく、国内にも積極的に取り組んでいる例があり、その代表的なブランドの一つがエソテリックである。1987年の創業時に「P-1」「D-1」を投入した同社は、30周年を迎える今日までセパレート型のラインナップを絶やすことなく送り出している。

その系譜に加わった最新モデルが、今回紹介する「P-05X/D-05X」である。前身は発売から10年が経過した「P-05/D-05」だが、今回は同社フラッグシップ機「Grandioso P1/D1」のコア技術を導入し、内容は大きく進化している。デジタルプロセッサーとしてのD-05Xのパフォーマンスと、P-05XとD-05Xを組み合わせた時のディスク再生の音質に照準を合わせ、詳しく見ていこう。

最新技術を投入。P-05X/D-05X接続は「ES-LINK 4」を採用

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