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ネックバンド型で使い心地も快適

ゼンハイザーCXシリーズにBTモデル登場!「CX 7.00BT」は音質・使い勝手・コスパに優れた注目モデル

公開日 2017/09/14 10:30 高橋 敦
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左右の明確な音の分離、はっきりと実感できる低域の充実度がポイント

印象的だったのは、明瞭に感じられる解像感や空間性に、同じくはっきり実感できる低域の充実だ。ワイヤレスイヤホンの活躍が特に想定される外出時に音楽をもっと楽しんでもらいやすいようにということだろう、ナチュラルやフラットという所にこだわりすぎない、明快な音作りがされている。Momentumの音とも方向性は近いが、こちらの方が、よりそこに寄せてきているように感じる。

低域の充実を実感。ワイヤレスが活躍する外出時での音楽聴取にぴったりな音作り

様々なタイプの曲を聴いてみて特に相性が良いと思ったのは、Robert Glasper Experiment「Human」。ジャズにソウル、クラブにヒップホップといった要素のハイブリッドなミディアムテンポナンバーで、ゆったりとしたヘヴィなグルーヴやエレクトリックサウンドの空間性などがポイントの一曲だ。

まずはその「ヘヴィなグルーヴ」というのが、このモデルの低音表現との相性が良い。音源に含まれるディープなローエンドまでは再現できないのだが、その上の「ベースの太さ」の帯域の量感や密度感、弾力が充実しており、十分以上の存在感を出してくれる。それでいて量感を抑えきれずに音像が緩く膨らむこともなく、空間を埋めすぎず、他の楽器も邪魔せずという範疇での最大限のボリューム感で楽しませてくれる。

イヤーチップはノズルのセンターに仕切り状のストッパーを設けている

もう一つは「エレクトリックサウンドの空間性」。このモデルは左右に振られた音の分離が明確で、ひとつひとつの音も明るい。エレクトリックなミックス処理で作り込まれた空間性の音源では、その明確さによってミックスによって意図して生み出されている人工的な空間性、バーチャル空間的なそれの再現性が際立つ。

リバーブによる残響での奥行き表現、ディレイのやまびこ効果での幻想的な立体感、左右に音を移動させるパンでの動きの表現…などなど、現代的なアレンジ&ミックスがわかりやすくはっきりと届いてくる。

こうした特徴から、総じてコンテンポラリーなクラブサウンド、それを取り入れたポップスなどとは全般的に特に相性が良さそうだと感じた。

イヤーチップは各サイズ合わせて4セット同梱

もちろん、バンドサウンドをベースとしたロックやポップスも難なくこなす。試聴したのは、小松未可子さん「また、はじまりの地図」。ピアノのリフを中心に複雑なリズムワークを決めながら進んで行くロックバンドサウンドの曲だ。

CX 7.00BTはこの曲の中心であるピアノをカチン、時にはガチンと硬質なアタックで鳴らしてくれる。ここは艶っぽい音色であってもそれはそれで美しいのだが、ガチンガツンとハードタッチにしてくれるとロックテイストがより強まって気持ち良い。シンバルも明るくシャープで華やか、ほどよく派手でやはりハードタッチだ。

イヤホン筐体はコンパクトで小さめの耳でもフィットしやすい

カジュアルに外に持ち出したくなる軽さとシンプルなデザイン

対してドラムスとベースが太く、ややおおらかな音色。こちらはガチンガツンではなく、しなやかなグルーヴ表現になる。全体として見ると高域側と低域側で音の感触が少し不揃いではあるわけだが、そうしたアンバランスさというのはオーディオの個性でもある。CX 7.00BTはそのコントラストが面白くもあるし、先ほどのRobert Glasper Experiment「Human」のように、その個性も含めてマッチする曲もあり、様々に楽しむことができるだろう。

音の分離が明確で、エレクトリックサウンドの空間性をうまく再現する

総じてベースはおおらかで大柄に表現してくるので、ベースの存在感をドンと出してほしいリスナー向きではないだろうか。そこはメーカーの意図通りだ。

なお、USBワイヤードでパソコンと接続して再生しても、サウンドの傾向に大きな変化はない。もちろんBluetooth伝送による損失がなくなりクオリティは底上げされるし、前述のように「聴きながら充電できる」という便利さもあるので、この使い方も活用したいところだ。



ネックバンド型ワイヤレスとしての快適な使い心地、ゼンハイザーとしてのサウンドクオリティ、さらに今の音楽に向けたサウンドチューニングと、それら全てを満たした上での無理のない価格を実現した「CX 7.00BT」。CXシリーズらしいトータルでの納得感はワイヤレスでも健在だ。

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