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<山本敦のAV進化論 第134回>

総額2.5万円以下、「DragonFly Black」+「Audirvana Plus 3」で手軽にMQA再生を楽しむ

公開日 2017/06/07 10:00 山本 敦
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DragonFly Blackは力強くメリハリのあるサウンドを特徴とするヘッドホンアンプだ。トロンハイム・ソロイスツ楽団とニーダロス大聖堂少女合唱団によるMQA音源「MAGNIFICAT/Et misericordia」を再生すると、メリディアン・オーディオのExplorer 2と比べて、若々しく張りのあるソプラノが楽しめる。弦楽器の音色も芯が強く、低音が深く響く。コーラスの余韻も比べるとよりいっそう濃く描かれる。

Macにつないで聴いてみた。メリディアン・オーディオの「Explorer 2」もリファレンスとして用意した

MQAのサウンドはインパルス応答の精度が高くなるぶん、わずかに音の線が細くなるように感じることが多かったが、DragonFly Blackで聴く活き活きとしたサウンドにはこれまで味わってきたMQA再生とはひと味違う、足腰の強さと安定感がある。

一方で明瞭なステレオイメージと立体的な音場の描写力、中高域の透明感についてはExplorer 2の方に軍配が上がるように思う。低域の余韻がきめ細かく広がるしなやかさもExplorer2の方が心地よく感じられた。

DragonFly Blackの本体に設けられているLEDランプは44.1kHz/緑、48kHz/ブルー、88.2kHz/オレンジ、96kHz/パープルとそれぞれ音源の解像度に応じて点灯色が変わる。MQAファイルを再生した場合は44.1kHzから352.8kHzの音源まで、いずれもパープルに光る。

MQAファイルを再生するとトンボのLEDが紫色に光る

TIDALのMQA音源「Masters」から、ザ・プリテンダーズの代表曲「Don't Get Me Wrong」(192kHz/24bit)を再生してみる。ビビッドなボーカルのエネルギーが自然に弾ける。ベースラインが弾力感に富み、余韻もグラマラス。太くてボールドな音像だ。エレキにアコギ、シンセサイザーのメロディが華やかに広がり、熱量あふれるグルーブに包まれる。

リズムセクションはExplorer 2に比べてインパクトの立ち上がりがわずかにスローに感じられたが、音の厚みと量感はDragonFly Blackの方が印象に残るものがある。切れ味鋭いExplorer 2のサウンドとまたひと味ちがうMQA再生の面白さを感じさせてくれる個性派だ。

MQA再生に対応するポータブルオーディオプレーヤーにOTGケーブルを介して接続しても、MQA再生が楽しめるのか実験してみた。プレーヤーはオンキヨーの“GRANBEAT”「DP-CMX1」を使った。こちらの場合もMQA再生はしっかりできているようで、352.4kHz/24bitと44.1kHz/24bit、どちらのMQAファイルを再生した場合もランプは紫色に灯った。

オンキヨーのグランビートでMQAファイルを再生。DragonFly BlackをOTGケーブルでつなぎUSBオーディオ経由でMQAファイルを再生した場合も紫色のLEDが点灯した

DP-CMX1は単体でもMQA再生が楽しめるスマートフォンだが、あえて外付けのDAC内蔵ヘッドホンアンプを用意して、好きな音楽を聴き比べてみるのも楽しいと思う。

スチュアート氏は、将来スマホ側でMQAデコードを行い、DACチップを内蔵するデジタルヘッドホンをMQAレンダラーとして組み合わることによって、手軽にMQA再生が楽しめる環境を提供できると語っている。先月ミュンヘンで開催されたHigh End Showのタイミングでは、ネットワーク系モジュールやソフトを開発するStreamUnlimited、ConversDigitalがMQAとのパートナーシップを表明した。

これからはスマホやポータブルDAP、または海外でBluesoundが発売しているワイヤレスオーディオ製品など、様々なデバイスにMQA対応の波が広がることを期待したい。

(山本 敦)

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