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【特別企画】いま買える超絶フラグシップ機

594万円の超弩級ヘッドホン、HIFIMAN「SHANGRI-LA」受注開始! 小原由夫が実力チェック

公開日 2017/05/31 11:00 小原由夫
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ヴァイオリンの響きがこれほどリアルにヴァイオリンらしく感じられるのは、高級ヘッドホンとしても希有と思う。オーケストラも細部のハーモニーがよくわかる。

テスト時の様子

また、とてもS/N感の高いヘッドホンでもある。音に静謐さが感じられるのだ。「井筒香奈江/リンデンバウムより」のようなシンプルで優れた録音を聴くと、バックグラウンドノイズの中に空気感、臨場感を感じるのだ。

より具体的に言えば、ピアノ、ベース、ピアニカのそれぞれの定位と、ヴォーカルの音像との間に適度な距離感があり、それが得も言えぬ静けさとインティメイトな雰囲気、音の清らかさや演奏の滑らかさをもたらしているのである。

背面端子部

■「ぜひお気にいりの楽曲を携えて試聴されたし」

周波数レンジも広く、解像力も申し分ない。おそらくこの辺りのパフォーマンスは、300Bを使った専用アンプの性能も貢献しているものと推察するが、とにかく情報量がみっちり詰まっているという印象だ。

「上原ひろみ/SPARK」を聴いて、ピアノトリオ3人の超絶技巧による複雑なアレンジの中、スピード感に緩急のある上原のピアノのタッチはもちろんのこと、アンソニー・ジャクソンが奏でる6弦ベースのピッチ(音程)の正確な描写に驚かされた。

他社のヘッドホンを聴いていて時折感じる、曖昧になりがちな低いキーの音程は、おそらくはリニアリティの不足によるものなのだが、SHANGRI-LAにはそのような振る舞いは一切なく、オーバートーンさえくっきり明瞭に再現する。

さらに驚かされたのは、ドラムスの描写。このピアノトリオでドラムを叩いているのは、サイモン・フィリップスというロック系のドラマーで、シンバルやタムなど、太鼓の数が非常に多いのだが、そのセット全体の大きさ、太鼓の多さ、音色の多彩さをとても生々しく再現してくれたのである。

ヘッドホン市場のインフレ現象については、本レポートの冒頭でも触れたが、そうした中でもこのSHANGRI-LAは、規模も含めて極めて個性的、独創的な存在としてアピールしていくものと思われる。我こそはという方、ぜひお気にいりの楽曲を携えて試聴されたし。

【問い合わせ先】
HIFIMAN JAPAN
MAIL/info@hifiman.jp

(特別企画 提供:HIFIMAN)

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