HOME > レビュー > 防滴+カラフルに進化。ボーズのBluetoothスピーカー「SoundLink Color II」実力チェック

【特別企画】向上したポータビリティ

防滴+カラフルに進化。ボーズのBluetoothスピーカー「SoundLink Color II」実力チェック

公開日 2017/04/24 10:24 中林直樹
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE


再生場所を問わないハイクオリティなサウンド

こんなふうに小型でワイヤレス対応、持ち運びしやすく、そして高音質という長所は、音楽や映像を楽しむシーンを多様にサポートしてくれる。

コンパクトかつ軽量なので、気軽に持ち運べる

たとえば、朝はダイニングテーブルの上に置いてゆったりとした室内楽、もしくはテンションアップのためのR&Bなどを再生したり、ベランダのチェアに設置して、屋外の空気と混ぜるようにしてジャズのピアノソロなどを楽しんだり。洗面台の近くに置いて、身支度を整えながらラジオ番組配信サービスradiko.jpで最新のニュースを受信したりするのもよいだろう。

休日の昼間であれば、スピーカーをトートバッグの中にさっと放り込み、自動車に積んで近くの海岸に出かけ、アコースティックなロックを流してみよう。帰宅したら、ベッドサイドの本棚に置いて、クラシックなソウルミュージックでも再生しようか、などイマジネーションは広がる一方だ。

また、SpotifyやApple Musicなどのサブスクリプションサービスを活用し、ディスクガイドなどを片手に未知の音楽探索に乗り出してみてもいいだろう。

なお、iOSやAndroid端末用のアプリ「Bose Connect」が無料で提供されている。これを使用することで、端末とのBluetooth接続が簡単になるばかりか、スピーカーのバッテリー残量の表示や自動オフタイマーの設定、音量調節などができる。また接続されている複数の機器のうち、再生させたいモデルを端末の画面からすばやく切り替えることもできる。

Bose Connectアプリとの連携にも対応。シンプルかつスマートにスマホからの再生/操作が行える

さて、様々なアルバムを用いて、肝心のサウンドをチェックしてみた。中でも印象に残ったものを記しておきたい。ひとつは坂本龍一の最新作『async』。冒頭の「andata」はピアノの中高域が明瞭で、低域にも深みがある。そこに忍び寄るようにしてフェードインするエレクトロニクスやオルガンのグラデーションが滑らかで、ピアノと徐々に交差してくる様子が表現されている。

本来なら厳密にセッティングされた、ハイエンドオーディオシステムでの再生が前提とされている作品だと思う(しかも、青山のワタリウム美術館で開催されている『坂本龍一 設置音楽展』では5.1chサラウンドミックスでの試聴も行われている)。だが、こうしたワンボディのスピーカーから、ふくよかに広がってゆく音場も、サウンドの密度や全体の調和を感じられて格別な味わいがある。

また、坂本自身が森の中を歩く音をミックスした「walker」は、その足音がきわめてリアルに伝わってきた。これには正直、はっとさせられたほどだ。リスニングポイントから少し離れた場所にスピーカーを置いても、そのテイストは変わることがない。

それどころか、こうしたアンビエント系作品は、音楽が発せられるポイント、音源の位置をあえて曖昧にしても面白い。たとえば、試聴位置から目につかない場所に設置すれば、どこからかさりげなく音楽が溢れ出し、空間に満ちてゆく、そんな感覚を堪能できるだろう。

対照的にエッジの効いたR&Bを聴かせてくれたのが、ホセ・ジェイムズの『ラヴ・イン・ア・タイム・オブ・マッドネス』。「ラヴ・ユア・ファンタジー」では冒頭のベースやパーカッションの立ち上がりが俊敏で、ボーカルの伸びやキレも抜群。低域には十分な深み、厚みがあるばかりか、ボリュームを大きめにしても歪むことはない。このあたりに同社のチューニングの巧みさを感じた。

逆に音量を下げても、その豊かな低域は損なわれることはなく、他の帯域とのバランスも的確に図られている。それは同価格帯のBluetoothスピーカーと比べて、特に秀でたポイントのひとつといってよいだろう。

前述のように、高い防滴性能を獲得したことで音楽が楽しめるシチュエーションはぐっと広がった。そして、それを支える品位の高いサウンド。コンパクトだけど自分だけのリスニングスタイルが発見できる、懐の深いスピーカーだ。

(特別企画 協力:ボーズ)

前へ 1 2

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE