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【特別企画】連続レポート第2弾

OPPO「UDP-203」のUHD BD再生をチェック ー 新機能“ターゲット輝度”も検証

2017/03/28 山之内正
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HDR再生では階調表現を忠実に再現してくれる

ソニーのKJ-65Z9Dを組み合わせ、UHD BDとBDを再生する。UHD BDの『エヴェレスト』では第4キャンプから山頂アタックを目指す場面などで、HDRがもたらす恩恵を確認する。

薄明のなか色とりどりのテントがうっすら浮かび上がる様子は、BDのSDR映像では実感できない微妙な色の階調が感じられ、高所ならではの澄んだ空気感をリアルに伝えている。まだ暗いうちから山頂に向かう場面、登山用ヘッドライトの照明だけを頼りに上っていく足取りの重さなども、暗部に豊富な情報を含むHDRでなければ読み取れない表現の代表格と言っていいだろう。

今回の視聴ではディスプレイにソニーの液晶テレビ「KJ-65Z9D」を使用。AVアンプにはPIONEER「SC-LX901」、7.1chスピーカーにモニターオーディオ「Silverシリーズ」を用いた

晴天のベースキャンプなど雪原の高輝度が際立つ場面もHDRらしさが実感できるが、むしろここで紹介したような全体に輝度が低いなかでの微妙な発色や階調の豊かさにUHD BDの見どころがあると感じた。

『レヴェナント:蘇えりし者』でヒュー・グラスがクマと遭遇する場面や川で流されるシーンを見ると、自然光による撮影ならではの階調の豊かさを忠実に再現していることに気付く。

どの場面を見ても明暗の強調に頼らず光と影の関係を豊かなダイナミックレンジで描いている点が印象的だが、その素直さはディテール再現にもそのまま当てはまる。広大な空や川の水面など、一見すると平坦な部分にもよく見ると微細な明暗や色の変化が浮かび上がり、雲の立体感や波面の動きに気付く。そのきめ細かい描写を実現しているのは、一つは階調のなめらかさだが、もう一つ、ノイズの絶対量が少ないことにも注目すべきだ。

UHD BDの4K映像は微細情報が豊富だが、作品によってはそれだけノイズが目立ちやすい弊害もある。『レヴェナント』はもともと低ノイズの映像だが、暗部や中間調の背景にノイズがうごめく場面もあり、再生環境によってはそれが目立ちやすい。UDP-203とKJ-65Z9Dの組み合わせはディテール再現とS/Nのバランスが良く、特に粒子が粗めのノイズはていねいに抑えている。明暗の階調をなめらかに再現するうえでも、ノイズの挙動が重要なカギを握っていると感じた。

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