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<山本敦のAV進化論 第121回>

【連続レビュー】定額制音楽配信、現在の実力比較(1)「Apple Music」− 大幅刷新で何が変わった?

公開日 2017/02/01 10:00 山本 敦
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お気に入りの音楽をシェアする方法

Apple Musicで気に入った楽曲や、自身が作成したプレイリストはメールやLINE、Facebook、TwitterなどのSNSアプリを使って友達とシェアできる。相手がApple Musicのユーザーならばリンクからそのまますぐに聴きはじめることができる。メールではiTunesのダウンロード購入サイトに飛ばす仕組みだ。

お気に入りの音楽をメールやSNSアプリでシェアできる。相手がApple Musicの利用者ならそのままリスニングまで可能

Android版アプリのシェア機能。メールやSNS系アプリでの共有を実現したコンセプトは同じ

もっとも、LINE MUSICが、LINEアプリに試聴音源をそのまま貼り付けられる機能を除けば、恐らくほかの音楽配信サービスを比較してみても、Apple Musicとシェア機能はおおむね同じになるはずだ。

モバイル端末への一時ダウンロード

Apple Musicの音楽を「ミュージック」アプリのライブラリに追加するためには、設定から「iCloudミュージックライブラリ」を有効にする必要がある。Android版では設定から「プレイリストの曲をマイミュージックに追加」をオンにすると、Apple Music内の「My Music」のリストに音源が追加され、ダウンロードできるようになる。なおApple Musicでダウンロードした楽曲はDRMで保護されるため、アップルの「ミュージック」アプリ以外で聴くことはできない。

iCloudミュージックライブラリをオンにするとApple Musicの曲をライブラリと合体できるようになり、iCloudのアカウントを共有するユーザーのデバイス間で最新のステータスも共有できる

Apple Musicからダウンロードした音源はDRMがかかっているので「ミュージック」アプリ以外では再生できない

楽曲を選択するとメニューにダウンロードの項目を表示。アイコンをタップするとダウンロードがスタートする。恐らく環境にもよりけりだが、ダウンロードのスピードが他の音楽配信サービスより速くスムーズに感じる。課題はストリーミング再生時の音質選択ができないのと同様、ダウンロードの音質もユーザーが自由に決められないことだ。

ダウンロードは楽曲単位、アルバム単位のどちらでも可能。iPhoneの内蔵ストレージは大きめがいい

Android版アプリの場合、「Wi-Fi接続時のみダウンロードを許す」かが決められたり、再生中の楽曲を一時的に端末にキャッシュするためのストレージ領域を200MB/500MB/1GBから選べる。

Android版では、ダウンロード先は本体ストレージ/SDカードが選べる。ダウンロードを行うタイミングもWi-Fi接続時のみなど節約設定が可能

SDカードスロットを搭載するスマホなら、ダウンロード先に大容量のSDカードを指定して内蔵ストレージに負担をかけないよう細かな設定ができたり、様々な項目がユーザーに開放されているのが嬉しい。ぜひiOS版にも採り入れて欲しいものだ。

音楽を再生しながらキャッシュしておけば、2度・3度と繰り返しストリーミング再生する曲はデータの通信量が少し抑えられる。ベターなのはダウンロードしておくこと

その他「Apple Music」ならではの特徴

最新版のiOSアプリでは、ラジオ型配信機能の「Radio」が、ステーションを選びやすくなって使い勝手がアップした。Android版では相変わらずトップに「Beats 1」が陣取っていて他のステーションの存在感が薄めだ。

Radio機能はトップのリストを左右にスクロールしてステーションを選びやすくなった

Android版のRadioメニュー。トップは固定。下にスクロールすると色々なオススメのステーションが並ぶ

CDなどから取り込んだiTunesライブラリの音源をiCloudに保存し、どの端末からも再生/ダウンロードできるようになるサービスと併用すれば、繰り返し聴きたい楽曲をいつも手元に置いておけて、知らなかった楽曲との出会いも促進され、かなり充実した音楽ライフが送れる。

iOS版は音楽配信サービスの時流に乗って歌詞表示の機能を搭載した

まとめ:Apple Musicはこんな人にオススメ

Android版アプリの方が設定項目が豊富で、一部UIの使い勝手が良く感じられるところもあり難しいところだが、あえて言い切ると、やはりApple MusicはiPhone/iPadユーザーにオススメしたい音楽配信サービスだ。もしApple Watchを所有していれば手元で楽曲再生をコントロールしたりできる。またプレイリストをつくってスマートウォッチに楽曲を転送しておけば、スポーツをしながら音楽を快適に楽しめる。

Apple MusicはiPhoneやApple Watchを活用している人にオススメ。Apple Musicからダウンロードした楽曲をApple Watchに転送して、ジョギングの時などに聴いて楽しめる

iPhoneでストリーミング再生を中心に使うなら、毎月のデータ通信容量の上限が高めのプランを選ぶ方がよい。ダウンロードして聴くスタイルを中心に据えるなら、iPhoneの内蔵ストレージは極力大きめのモデルを選ぶほうがよい。

一方でGoogle関連のデバイスとの連携性は低い。例えばGoogle CastやChromecastとは連動しておらず、これらを頻繁に使うのであればGoogle PlayミュージックやAWAの方が良い。Apple Musicをより活用するためには、AirPlay対応オーディオ機器も欲しくなってくる。

ChromecastやChromecast BulitIn(旧Google Cast)の機能に対応するオーディオ機器を使っているユーザーはGoogle PlayミュージックやAWA、Spotifyの方が連携機能が豊富なのでオススメだ

(山本 敦)

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