“Grandioso”直系の回路設計を採用

エソテリックのセパレートアンプ技術を凝縮。新生プリメイン「F-05/F-03A」を聴く

鈴木裕

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2016年11月10日
エソテリックがセパレートアンプで培ってきた手法や技術を惜しみなく取り込んだ、「Grandioso」シリーズの思想を継承する一体型プリメインアンプ「Fシリーズ」。AB級の「F-05」とA級の「F-03A」の両モデルを鈴木裕氏がレビューする。

■本機のポジショニングと概要
最高のプリメインアンプを目指しセパレートの技術を用いて刷新

従来エソテリックのプリメインアンプと言えば「I-03」や「I-05」だった。その後継機種として内容を大幅に刷新して登場したのが“Fシリーズ”の「F-03A」と「F-05」だ。

「F-03A」950,000円(税抜)

「F-05」700,000円(税抜)

目指しているのは実に明解で、“望みうる最高のプリメインアンプ”であること。そのために、フラッグシップシリーズ「Grandioso」直系のデュアルモノでフルバランス回路を妥協なく採用し、パワーアンプ部もSシリーズ直系とも言えるような構成を取っている。

ちなみにFシリーズの「F」の意味としては「Full Analogue(高音質アナログ増幅回路を採用)」、「Fully Integrated(一体型アンプフォーマットにおける最高峰)」「Fundamental(アンプの基本を追求)」「Functional(洗練された中に豊富な拡張性と機能性)」といった要素を盛り込んでいる点にある。

セパレート機の流れを汲むこだわりの一つがフルバランス構成のプリアンプ。ノイズに強く、低インピーダンスでピュアに信号を増幅。同社の一体型としては過去最大級の物量を投入した回路設計で、優れたチャンネルセパレーションを獲得した

エソテリックの設計思想を注入機能の充実化も図った新シリーズ

増幅部がAB級のF-05とA級のF-03A。それは回路構成から使っているパーツまで多くの共通項を持っている。まず、入力切り換えとプリアンプ機能はバックパネル付近に集約しつつ、入力端子からして左右の基板は分割している。

両機の背面端子部。入力はXLR×2/RCA×5(1系統はフォノ)、外部プリアンプ入力×1、プリアンプ出力(XLR/RCA・本体設定で録音出力も可)×各1、スピーカー端子×2を装備。またオプションボードスロットを用意しシステムアップが可能な点も大きな特徴

Fシリーズはオプションボードスロット「OP-DAC1」を用意。3系統のデジタル入力を装備し、USB入力はアシンクロナス伝送と最大DSD11.2MHz、PCM384kHz/32bitに対応。DSDネイティブ再生が可能

ボリュームはバランス構成のデュアルモノということで、合計4回路をコントロールするラダー抵抗切り替え型。これを電子制御で一括コントロールする。ボリュームやセレタクーのノブはロジックコントロール用だがその感触には強くこだわり、全て無垢のアルミから削り出しでGrandiosoと同一のベアリング機構を採用している。実際に操作してみると実に静謐で滑らかな感触だ。

独自のESOTERIC-QVCSボリュームコントロール方式を採用。信号のL/R、正/負の独立が保たれ、セパレーションと位相特性に優れたクリアな音質を獲得。ボリューム/セレクターはGrandiosoと同じ高精度ベアリング機構を採用する

機能的にも充実していて、アナログレコード再生用のMC/MM対応フォノイコライザーや3バンドのトーンコントロールも持っている。これらのフォノイコライザーやトーンコントロールもデュアルモノ構成で、フォノ部は電源も独立構成となっている。

3バンドのトーンコントロールを搭載。ミドル帯域はマイナス側に合わせてトーンバイパススイッチと併用し、ラウドネスのプリセットとしても使える。写真はF-03Aで、F-05と異なりシーリングパネルで覆うタイプ

こう書くと当たり前のようだが、フルバランスのトーンコントロールには各バンド4回路(L/R、ホット/コールド)で、それが3バンド分必要。それぞれの帯域の中心はバス63Hz、ミドル630Hz、トレブル14kHzとした上に、0.5dBステップ(最大12dB)にしたため、現代のハイファイ再生に使えるトーンコントロールに仕上げられている。また、これをいじりながら音を聴いてみても音の透明感は変わらず、高いクオリティを保っていた。

充実した機能を搭載しながら高品位再生を実現

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