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<山本敦のAV進化論 第107回>

【レビュー】ウォークマン史上最高ハイエンド「WM1Z」「WM1A」をじっくり聴いた!

2016/09/23 山本 敦
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アンバランス接続による音楽再生では、ベイヤーダイナミックの「T1 2nd」も組み合わせて、ハイインピーダンスヘッドホンでのパフォーマンスも確かめている。なお基本のリスニング時は「ソースダイレクト」モードに設定して素性をチェックした。

まずは女性ボーカルから。aikoの『もっと』は、WM1Aでは声の質感とディティールがとても自然に再現される。色彩感を誇張することなく、素のままの表情がいきいきと伝わってくる。

WM1シリーズの3.5mmステレオミニ出力のサウンドを聴く

解像感がとても豊かで、輪郭の緻密な描き込みはZX2より腕を上げている。嫌みな派手さを感じない、ニュートラルで堅実なサウンド。ボーカリストの声の魅力に酔いたい作品と抜群に相性が良さそうだ。

WM1Zはボーカルの香りがさらに引き立つ凄味がある。情報量がWM1Aよりも段違いに多く、音が一粒ずつ濃い。目を閉じて聴くと、吐息の生暖かさまでが伝わってくようだ。重心が低くて、彫りが深い。声が肉体を手に入れた。

バンドのエレキベースが弾く低音がものすごく立体的で躍動感がはとばしる。弦楽器の音色には張りがあってつやつやとしている。ピアノも音色も濃厚だ。レコーディングスタジオの圧倒的な熱気に包まれた。

続いてミロシュ・カルダグリッチの「アランフェス協奏曲」から『第1楽章 Allegro con spirito』を聴く。WM1Aのサウンドは被写界深度がとにかく深い。ステージの隅々まで見渡せる。ZX2譲りの優れた解像表現力に、低域の柔らかさが加わって全体に質感がふくよかになった。

生楽器の音色がとても自然で、ダイナミックレンジが広く、階調もきめ細かい。ボトムからトップの余力もたっぷりと残しながら、演奏を力強く受け止める。

同じ曲をWM1Zで聴いてみる。ギターの旋律により正確にフォーカスが合う。音が鳴った瞬間のイメージが頭の中で緻密に映像化され、すうっと漆黒の静寂に溶けていくようだ。ギターのしなやかな低音は地にしっかりと足が付いていて粘り気がある。

重さを一切感じないのは、パワーをしっかりとハンドリングできているからだろう。聴感上の各帯域のバランスは絶妙に均衡が取れていながら、それぞれの音が明快な存在感を主張してくる。音が活き活きとして、とても生っぽいのだ。


■バランス接続で音質はどう変わる?

ここでバランス接続につなぎ換えてみる。4.4mmのジャックにケーブルのプラグを装着すると、少し間を置いてから内部のリレー回路が「カタッ」と切り替わる音が本体からきこえてくる。プレーヤーの画面左上には「Balanced」のアイコンが表示され、バランス接続に切り替わったことを知らせてくれる。ほかに特別な設定は必要ない。

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