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アトモス/DTS:X対応の第二世代モデル

【レビュー】デノン「AVR-X2300W」を聴く。クラスを超えた実力のハイコスパAVアンプ

公開日 2016/09/12 12:41 岩井 喬
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アトモス/DTS:XやUHD-BDに対応。Bluetooth/Wi-Fi内蔵など機能性も追求

圧倒的な情報量を誇るオブジェクト方式サラウンド再生においても、十分に対応できる余裕度を持つ32bitクアッドコアDSPを、前モデル「AVR-X2200W」(関連ニュース)から継続して搭載。スピーカー配置としては最大<5.1.2>まで可能である。

さらに最新のHDMIレシーバー/トランスミッターICを搭載したことで、全てのHDMI端子は【4K/60P/4:4:4/24bit】【4K/60P/4:2:2/36bit】といった映像フォーマットを持つ4K Ultra HDのパススルーが可能なHDCP2.2に対応。加えてHDMI入力についてはSD/HD解像度の映像信号を最大4K/30pまでアップスケーリングして出力することも可能だ。

なお、2つのモニターHDMI出力を備えたことで、プロジェクターとテレビなど2つのディスプレイ装置へ同じ映像を同時出力できる点も上位クラスならではの機能性である。AVR-X1300Wに比べ、コンポーネントビデオ入出力などアナログ系映像/音声入出力も増えており、一列に並ぶスピーカーターミナルの使いやすさを含め、より幅広い機器への対応と発展性を持たせた点も注目だ。

AVR-X2300Wの背面部

192kHz/24bit対応DACチップのポストフィルターには、内部構成やワイヤリングを刷新し、高品質シリコンウエハーを用いた高音質オペアンプを採用。ネットワーク環境及びPC、USBメモリーからの音楽ファイル再生能力については従来から対応していた192kHz/24bit PCM&2.8MHz DSDまでに加え、新たに5.6MHz DSDも対応する。

2.4GHz/5GHzデュアルバンドWi-FiやBluetooth機能も備え、AirPlayやインターネットラジオ、FM補完放送ワイドFMも楽しむことができる。音場補正には「Audyssey MultEQ XT」を取り入れるほか、操作性を向上させたリモコンアプリ「Denon 2016 AVR Remote」も採用。使い勝手の点でも申し分ない。

空間の情報量をより明確かつリアルに描き出す

試聴においては、5.1chスピーカーにMONITOR AUDIO「Silver」シリーズ(「Silver 6」×2、「Silver 1」×2、「Silver Center」、「Silver W12」)を用意。ハイトスピーカーとしてLINN「Classic Unik」をフロントハイトに近いやや変則的な5.1.2環境とした。なおBD再生機としてはパナソニック「DMR-BZT9600」を用いている。

2ch環境でのチェックにおいては、フロントUSB端子に差し込んだUSBメモリーからの直接再生にて確認。AVR-X1300Wと比較するとより音のフォーカスが高まるとともに、音像に肉付き感や空間の情報量をより明確かつリアルに描き出す傾向にあるようだ。

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