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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第164回】本当に乗り換える価値アリ?「AK70」とAK歴代エントリーDAPを比べてみた

公開日 2016/08/26 10:07 高橋 敦
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■AK70最大の進化点はこの3つ!

さてでは本題。歴代AK小型エントリーモデルと最新AK70を比べたときに、乗り換え検討の要因となり得そうな部分、AK120MKIIとAK JrとAK70を比べたときに特に大きな違いとして挙げるべきであろうポイントは、まずスペック的には次の3点だ。

▼3.5mmシングルエンドに加えて、2.5mmバランス出力を装備
▼USBデジタル出力対応
▼システムやインターフェースが現行ハイエンドと同系に


順に説明していこう。

▼3.5mmシングルエンドに加えて、2.5mmバランス出力を装備
これについては特段の説明は必要ないだろう。バランス駆動に興味のある方にとっては大きなプラスポイントだ。

▼USBデジタル出力対応
これは後述の「システムやインターフェースが現行ハイエンドと同系に」の一部でもあるが、特に大きなトピックになり得る要素なので分けて説明しておく。

簡単に言えば、PCとUSB-DAC(USB-DAC一体型ヘッドホンアンプ)を接続して利用するのと同じことが、AKを送り出し側としてできるようになったということ。USB-DAC搭載ポタアンとのUSBデジタル接続がサポートされたのだ。

そのようなシステムを組んだ場合、ユーザーインターフェースやストレージとしてのプレーヤーの役割は引き続き重要だが、音質に関わる部分の大半はポタアン側に移される。AKはコントローラー&トランスポーターといったような役割となるわけだ。

…となると相手のポタアン次第で音質の大幅向上も期待でき、またその使い方で組み合わせるポタアンが同じものであれば、AK70とハイエンドAKとの音質の差はやはり小さくなるだろう。そこまで見越した上での「コストパフォーマンスが高い」という考え方、判断もできるようになるのだ。

最大の売りであろう、エントリークラスAK初のバランス駆動対応

USB端子はデジタル出力という新たな役割も担う

▼システムやインターフェースが現行ハイエンドと同系に
第二世代のAK240から採用され現在の第三世代AK300/AK320/AK380にも引き続き採用されている、Android OSベースのシステムソフトウェア、ソフトウェアインターフェースを、AK70は小型エントリーモデルとして初めて採用。これによりシリーズ全体で操作感、そしてハードウェアに依存しない機能面はおおよそ統一された。

例えばDLNAを利用したリモート機能「AK Connect」はこのAK70でも利用できる。AK専用CDリッピングドライブ「AK-CD RIPPER」も利用可能だ。一方、筐体の形状が異なりそれ用の端子も持たないことから、「AK380 AMP」は利用できない。

長い目で見た場合、安定性向上や機能追加のシステムアップデートをより継続的に期待できることも、システム統一の利点と言える。

画面の中は第二世代第三世代とほぼ同じ

メニューを下にスライドさせてアートワーク表示領域を広くするギミックは上位モデルに先駆けてまずAK70で披露された

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