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<山本敦のAV進化論 第102回>

世界初のDTS Headphone:X対応タブレット、ASUS「ZenPad 10」レビュー

2016/08/15 山本 敦
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DTSがヘッドホン・イヤホン向けに展開するサラウンド技術「DTS Headphone:X」に世界で初めて対応するタブレット「ZenPad 10」「ZenPad 8」がASUSから発売された。今回はDTS Headphone:Xの現状を整理しつつ、ZenPad 10の試聴インプレッションをお届けしたい。

ASUSが発売した世界初のDTS Headphone:X対応タブレット「ZenPad 10」

■普通のヘッドホン・イヤホンでサラウンドが楽しめる

DTS Headphone:Xは、スマホやタブレットなどモバイル機器と、ヘッドホン・イヤホンによる組み合わせに最適化したサラウンド体験を手軽に楽しめるよう開発されたバーチャルサラウンド技術。ヘッドホン・イヤホンで最大11.1chまでの立体感あふれるサラウンド音場を作り出せることが大きな特徴だ。

2013年頃から徐々にその名が聞こえ始め、2015年には世界ではじめてDTS Headphone:X 11.1ch 音声を収録したBDソフト『劇場版「進撃の巨人」』が発売され注目を浴びた。

DTS Headphone:Xのサラウンド音声を楽しむためには、DTSデジタルサラウンド(5.1ch)、あるいはDTS 2.0チャンネルのソースをデコードできるBD/DVDレコーダーまたはプレーヤーが必要。つまり製品に、あるいはパッケージにDTSロゴが付いていれば大丈夫だ。

組み合わせるヘッドホン・イヤホンは、特別なものは不要。普通のステレオ再生ができるヘッドホン・イヤホンでよいのだが、再生時の音質にこだわるならある程度の実力を備えたものの方がよいだろう。

BD/DVDプレーヤーにヘッドホン出力があればそこに直接つなげばいいし、HDMI接続したアンプやテレビの音声出力を介することも可能だ。なお、パナソニックからはヘッドホン「RP-HX750」やイヤホン「RP-HJX20」など、DTS Headphone:Xのコンテンツを心地よく再生するために音質を最適化した製品も発売されているが、これらの製品を使わなければDTS Headphone:Xが楽しめないということではない。

モバイル機器のDTS Headphone:X対応は、少し遅れて今年2016年2月に台湾のメーカー、エイサーが商品化を発表したスマートフォン「Liquid Jade 2」からはじまった。

残念ながら日本で売られていないスマホなので、国内ではモバイルでDTS Headphone:Xサラウンドを味わう機会はおあずけとなっていたのだが、ついに今回、ASUSの「ZenPad 10」「ZenPad 8」の両シリーズの日本上陸が決まったのである。

■最大7.1chのDTS Headphone:X対応を実現したZenPad 10

今回のレポートでは10.1インチの「ZenPad 10」を借りてテストしているので、本機の概要を中心に紹介しておこう。10.1型のディスプレイは解像度が1,280×800画素。同程度のサイズのタブレットとしては、アップルのiPad Pro 9.7インチやiPad Air 2が圧倒的な人気を誇るライバルであり、比べてしまうと画面の精彩感などはいま一歩だが、視認性の高いIPS液晶を使ってメリハリのある画質に仕上げている印象を受けた。

背面はレザーのようなざらっとしたタッチ。高品位な質感を持たせている

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