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Roonの潮流とネットワーク・ブリッジについて考察

非対応機器が約1万円でRoon対応に変身! ラズベリーパイで“Roon Bridge”を作った

公開日 2016/07/08 12:20 佐々木 喜洋
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まるで“Roon増設アダプター”。ラズベリーパイをDACに直結?して使う

最後にラズベリーパイのコンパクトさを活かすために、ちょっと面白い実験をした。市販の300円程度のRCA直結アダプターを用いて、ラズベリーパイのRCAデジタル出力からDA-06のデジタル入力に直結したのだ。

RCAアダプターを使ってラズベリーパイをDACに直接接続

こうするとまるで付属のネットワーク・アダプターでもあるかのように、DACの背面にくっつけることができる。まじめな話、ラックスマンに追加オプションとして提案したいくらいだ。これこそhiFaceを思い出すようなかつてのUSB-DDC的なブリッジらしい使い方と言えるだろう。

実のところ、デジタルでこうした簡易接続すると問題があるのではという考え方もあるが、実際に音を出してみると問題なくロックして音が出た。音質的なコメントは参考程度となるが、実のところ悪くはなく、かえって透明感がやや上がったかという感さえあった。ただし低音域のレスポンスが低減するなどの違いもある。これもケーブルの個性の範囲かとも思えるが、高級ケーブルとの価格の差を考えると音質は悪くない。

アダプター感覚でRoon Bridgeを使える楽しさがある

今回はラズベリーパイをネットワークブリッジとして、Roonと手持ちのDACを活用する方法を試してみたが、音質の高さに改めて感銘した。ラズベリーパイで作るというちょっとした工夫が入る点も、オーディオ趣味としては面白いと言えるだろう。

今回はUSB-DACを使用したが、たとえばDLNAネットワークプレーヤーで同軸または光デジタル入力を持っている機材でも同じ方法が使えるはず。いまだRoon対応の予定が明確ではないメーカーも多いが、来るべきRoonReadyの文字が見られるまではこの方法で手持ちの機材を活かし、Roonの世界に飛び込んでみてはいかがだろうか。

(佐々木 喜洋)


ネットワークプレーヤーにRoon Bridgeを接続する

今回の取材の後、編集部は佐々木氏の提案を受けて、S/PDIF入力を備えたネットワークプレーヤーとラズベリーパイによるRoon Bridgeを組み合わせられるか試してみた。用意したネットワークプレーヤーはTEAC「NT-503」だ。

ティアックのネットワークプレーヤー「NT-503」との組み合わせも試した

電源ケーブルと同軸端子の位置の関係でRCA直結アダプターは使用できなかったため、同軸デジタルケーブルで接続してRoonから再生を行ったところ、問題なくロックして再生が行えた。光デジタルケーブルでも同様のことを試してみたところ、こちらも問題なく再生を行えた。

1万円少々の投資で、既存のネットワークプレーヤーやUSB-DACを用いてRoonを楽しめるというのは興味深いアイデア。アタッチメント感覚で組み合わせられるのも楽しい。ネットワークプレーヤーやDAC本体の音質を活かせるという意味でも、Roon用ネットワーク・ブリッジ=Roon Bridgeとしての役割のユニークさを実感できた。

(編集部)



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