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音質と機能、ファッション性すべてに妥協なし

ゼンハイザー「MOMENTUM On-Ear Wireless」レビュー。軽快に使えるBT/NC両対応機

2016/05/31 折原一也
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■「MOMENTUM On-Ear Wireless」の真の実力はaptXで引き出される

ワイヤレスへと伝送方法を変えたことで、MOMENTUM On-Ear Wirelessの音質はどのように変化したのか。iPhone 6とペアリングして音質をチェックしてみると、「MOMENTUM on-ear」のような、MOMENTUMの流れを汲むサウンドを体感できた。

まず定番の音源として宇多田ヒカルの『Automatic』を聴くと、屋外リスニング環境にも負けない、ディープな重低音の鳴りを備えていることがわかる。またJ-POPの音源を聴く際に求められるボーカルの立ち上がりも鮮明で、電車のなかで音楽を聴くのにベストマッチな低音と、それに負けない中高域の解像感というチューニングの妙を見せ付ける。三代目J Soul Brothersの『R.Y.U.S.E.I』のような躍動感あるダンスミュージックは大の得意分野で、男性ボーカルの声の帯域の立体感を引き出してくれる。さらにオンイヤータイプという形状以上の空間のスケール感、音源の持つライブ感も引き出す。

MOMENTUM On-Ear Wirelessは、CD音質までは無劣化で伝送するBluetoothの伝送コーデック“aptX”にも対応しているため、手持ちのXperiaとNFCでペアリングし試聴してみた。

「MOMENTUM」らしい実力を備える本機だが、“aptX”対応機器と組み合わせることで真価を発揮する

すると、aptXで聴いたサウンドは、iPhoneによる試聴と比較して激変。例えば三代目J Soul Brothers『R.Y.U.S.E.I』では、ピアノの旋律もリアルに響き始める。いつも試聴するSHANTIの『Born to Sing』のアルバムや、カラヤン指揮の『ヴィヴァルディ:四季 -春-』を聴き込んでも、MOMENTUMを彷彿とさせるようなハイクオリティで聴かせる。低域から高域まで音の鮮明さが数段上がる。これが本機の真の実力という事だろう。

定番であるMOMENTUMのワイヤレス版、と流してしまいそうなMOMENTUM On-Ear Wirelessだが、実際に実機を身につけて音質を確かめてみると、効果的に働く「ノイズガード」と、Bluetoothで再生した際の音質は惚れ込むほどの完成度の高い出来映えだ。

加えてMOMENTUMシリーズの優れたデザイン性に、有線のMOMENTUMにの流れを汲む高音質と、あらゆる機能を高次元で実現させたMOMENTUM On-Ear Wirelessは、このジャンルの新定番になること間違い無しだ。

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