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新製品「DM300H」も初公開

Dynamic Motionの韓国本社&ベトナム工場を訪問。高い開発/生産能力の秘密とは?

公開日 2016/02/23 10:00 岩井喬
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新進気鋭のイヤホンブランド「Dynamic Motion」の本社および工場を訪問

近年、韓国ブランドのハイレゾ対応ポータブルプレーヤーやイヤホン製品の発表が相次いでいるが、Astell&Kernを筆頭にそのクオリティ・実力は年々向上している。背景には、サムスンやLGといった大企業へのバンドル供給など、OEM主体で成長してきた中小企業が切磋琢磨してきた成果がある。2013年に初めて自社ブランドのイヤホン「DM008」をリリースしたDynamic Motion(ダイナミックモーション)も、そうしたメーカーのひとつである。

Dynamic Motionのロゴマークとイヤホン初号機「DM008」

ダイナミックモーションは1982年に創業したスピーカーユニット・メーカーで、現在はイヤホンやヘッドホンのドライバーユニット製造がビジネスの中心となっている。ピーク時にはドライバーユニットを月産2,500万個も生産し、サムスンのスマートフォン「Galaxy」にバンドルされるイヤホン用のユニットを一手に引き受けた実績を持つ。

順調に業績を伸ばす一方、2012年頃からはOEM中心のビジネスモデルからの脱却を目指し、自社ブランドのイヤホン開発に乗り出した。そのノウハウを活かすことでユニット開発は先行したが、未経験であった自社でのハウジングデザインやサウンドチューニングに時間を要したとのこと。この間に日本での展開も見据え、サエクコマースの協力を仰ぎ、日本市場で評価されるサウンドの研究と試作機のチューニングを重ね、「DM008」の完成にこぎつけた。

「DM008P」

「DM100」

その後も同社は、DM008をベースとしたフルメタル筺体仕様の「DM008P」、ダイナミック型ドライバーの振動板にサスペンションを貼り合わせる特許技術“Balanced Dynamic Driver”を導入した「DM100」と実力モデルを次々と発表した。これら日本市場に導入されたモデルは、そのいずれも韓国の本社にて製造されている。

今回、現在2016年中に発売予定という新製品の開発が進められている韓国本社(ソウルの隣に位置する城南【ソンナム】市)、そして昨年新たに竣工したベトナム工場への取材を敢行。その製品作りへの取り組み、生産体制についてを知ることができた。

韓国・ソンナムの本社には大規模な開発設備を備える

まずは韓国本社への訪問であるが、城南市はソウルから車で30〜40分ほど離れた山間にある。ダイナミックモーション本社が入居する“スタータワー”ビルディングには複数の企業・工場も入居しているが、日本と違うのはCNC(コンピュータ数値制御)工作機械のような重厚な工作機械を高層階のフロアにも複数持ち込めること。“オフィスビル”ではなくまさに“ファクトリービル”というつくりなのだ。

ダイナミックモーション本社エントランス



ダイナミックモーションが入居する、城南市のスタータワー

韓国本社内の製造ライン

ダイナミックモーションが入居するフロアは14階にあり、設計やマーケティングなどの部門が置かれているオフィススペースと、製造ラインや各種測定機器が置かれたファクトリースペースが設けられている。

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