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スマホと組み合わせて使い勝手をチェック

ガジェット目線で楽しむ! オプトマの手の平サイズプロジェクター「ML750」レビュー

2016/02/04 海上 忍
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■Netflixの視聴は○!

最初に実施したテストは、「Android端末(SONY Xperia Z Ultra)とMHL/HDMIケーブル」、「iOS端末(初代iPad mini/iPhone 6s)とLightning - Digital AVアダプタ」で接続、動画再生アプリのコンテンツを映すという環境。著作権の関係で出力制限されがちな動画再生アプリのこと、画質以前に「出力できるかどうか」という問題があるからだ。

NetflixはAndroid/iPhoneとも問題なし。Netflixアプリの場合、スマートフォン/タブレットからの出力は720pとフルHDには満たないが、ML750の解像度(WXGA)で対応できるため、拡大による不自然なジャギーはなくスマートフォンで見たとおりの映像が大写しになる印象だ。さらにXperia Z UltraはMHL接続ということでバッテリーの心配もなく、安心して米国ドラマ「ベター・コール・ソウル」を立て続けに楽しむことができた。多様な動画コーデックに対応する動画アプリ「VLC」も同様、端末で再生できるものはそのままML750で映すことができる。

Netflixアプリは支障なくHDMI出力できた(画面はiPhone 6s)

しかし、DLNA経由での再生はできない。『TV SideView』と『Twonky Beam』で試したが、nasne上のコンテンツ(録画済番組/ライブチューナ)を再生しようとすると「著作権保護のため〜」などとエラーになってしまう。アプリというよりDLNAの仕様のためやむを得ないが、もしテレビ放送の視聴を目論んでいるのならばビデオレコーダーを直接つなぐことになるだろう。

DLNA経由での動画再生は、アプリ側の仕様によりHDMI出力できない(画面はiPad mini)

写真に関しては心配無用。microSDカードスロットに加えてUSB-Aコネクタが用意されているので、カードリーダを用意すれば大半のデジタルカメラで撮影した写真にアクセスできる。本体内部に1.5GBものストレージが用意されているので、PCを使い写真をコピーしておきML750単体で投写するという使い方も可能だ。Microsoft Office文書やPDFの表示に対応した「Office Viewer」機能もあるので、プレゼンテーション用途を考えている向きにも手ごろだろう。

■明るい室内で、ML750はどこまで使える?

いくら入力ソースが豊富だからといって、しっかり映せないことには意味がない。特にモバイルプロジェクターを謳うML750の場合、多少の悪条件をものともしない融通無碍な活用スタイルこそが本分だといえよう。

邪道を承知で、障子越しに明かりが差し込む昼下がりの和室にて、若干凹凸のある壁紙に投写してみた。投写距離は約1.5メートル。50インチをわずかに下回る画面サイズに調整し、どの程度の明るさに感じられるかのテストだ。投写モードは標準的なPCモードを選択、MHLで接続したXperia Z Ultraを利用している。

横浜・港が見える丘公園で撮影したフルHDムービーは、じゅうぶん実用的なクオリティ。ややベージュ調の壁紙に投写したため全体的にくすむ傾向は否めないが、遠景に見えるベイブリッジのワイヤーまではっきり確認できた。垂れ込む雲も重なり合う夾竹桃の葉も、しっかり質感と精細感を保っている。この画面サイズであれば、光量が外光に負けてしまうこともなく、明るい部屋で動画や写真を鑑賞する用途にも耐える。

iPhone 6sで撮影したフルHDムービーを和室の壁紙に投写。遠景に見えるベイブリッジのワイヤーまではっきり確認できた

WEBページも投写してみた。壁紙の凹凸のためか、ウェイトの細い書体は少々厳しいが、視認性という点では完全に実用レベルだ。700ルーメンという数値は、上位機種(HD92は1,500ルーメン)と比べると頼りなく感じられるかもしれないが、50インチ程度の画面サイズであればML750でもじゅうぶん明るい。蛍光灯輝く会議室でPowerPoint文書を映してもイケるだろう。

WEBページを投写。ウェイトの細い書体は少々厳しいが、視認性という点では完全に実用レベルだ

このように、手のひらサイズながらも明るく多機能なML750は、モバイルプロジェクターの新境地を開きうる可能性を持つ。自宅でBDを再生するだけでは惜しい、友人宅に持ち込み大勢で写真や動画を鑑賞したり客先でのプレゼンテーションに活用したり、大画面のメリットを存分に生かしたい…という向きにはまさにジャストフィットの製品といえる。

(海上 忍)

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