「CAS-1」も聴いた!

<IFA>レビュー:新ウォークマン「ZX100」「A20」ファーストインプレッション

山本 敦
2015年09月03日
別項でレポートしているように、ソニーはIFAにてウォークマンの新モデル「ZX100」と「A20」を発表。展示会場でそれら新モデル群の音質を確かめることができたので、簡単なインプレッションも報告しておこう。コンパクトオーディオ「CAS-1」も同じく音を聞けたので、合わせてレビューをお届けする。

■ZX100:各帯域のバランスが整って、音のつながりもよりスムーズに

NW-ZX100

明るく精悍な中高域の印象はZX1のそれと変わることがないが、どちらかといえば大人しく控えめだった低域の存在感がより際だっている。各帯域の音のつながりもよりスムーズになった。

ロックやポップス系のサウンドはアタックが鋭いだけでなく、柔軟さも兼ね備えたことで演奏全体によりいっそうの深みが加わっている。ボーカルの輪郭は元気なイメージに加えて、大人の艶やかさも表現できる実力が備わった。ハイトーンも伸びやかに広がる。

付属するノイズキャンリングイヤホンは、高域が40kHzまで帯域をカバーしている。ハイレゾ音源の情報量を自然に引き出し、解像感やシャープな切れ味を気持ち良く聴かせてくれる。

プレーヤー側の、特に中低域の充実したドライブ力は、より上位のハイクラスなヘッドホンやイヤホンをガンガン鳴らし込むのに十分な余力を備えていることを感じさせる。高域の繊細さはカスタムIEMなどと組み合わせで、より深い情景が見えてくる期待も感じさせた。イベント会場なので短く簡易な試聴機会ではあったものの、新ウォークマンの飛躍の一端に触れることができた。またじっくりと聴く機会をつくって、ハンドリングも含めて詳細をお知らせしたいと思う。


■NW-A20:低域の安定感の向上とスムーズなつながりを実感


NW-A20
従来モデルのNW-A10も解像感やリニアリティに優れるプレーヤーだったが、中高域の繊細な表現力は高い一方、再生する曲によっては低域がおとなしく感じられることもあった。

今回のNW-A20では低域の量感がより豊かになって、全体のバランスが整い、特にミッドレンジとのつながりがスムーズになった印象を受けた。高域の広がり感や高さ方向への伸びやかさも一段と良くなったようだ。

何より音の輪郭の印象がより明確になって、余計な歪みや付帯音がリスニングを邪魔しないので、ボーカルや楽器が奏でる音楽のエネルギーがダイレクトに伝わってくる。付属するノイズキャンセリングイヤホンもフラットバランスでディティールをしっかりと描き込む。イヤホンとの組み合わせにより、ハイレゾを聴くことの楽しさを手軽に実感できる良質なエントリー機と言えるのではないだろうか。


■CAS-1:確かな効果を感じる「Low Volume Mode」


CAS-1
CAS-1のサウンドを聴く機会も得た。ハイレゾ再生は音場がとても広く再現され、定位感も明瞭。より大型のスピーカーが鳴らしているように感じられるほど、音の存在感が明瞭だ。

低域はソリッドで瞬発力に恵まれているが、固さは感じられず、むしろしなやかで柔らかく、バネが効いている。中高域とのバランスもよく、それぞれの音の輪郭をビシッと引き締める役割も担っているようだ。ニアフィールドで再生すると、ヘッドホン再生で音楽を聴いているようなダイレクトな印象と、スピーカー再生ならではの広々としたステージ感が同居したような、本機ならではのユニークなリスニング感が味わえた。

「Low Volum Mode」での再生は、ON/OFFを切り替えると、効果が容易に実感できる。普通にボリュームを下げて聴くと、どうしても痩せてしまう高域のニュアンスや低域のパワー感が、LVMをONにして聴くとしっかり保たれているのがわかる。BGMとしてではなく、じっくりと耳を傾けて聴きたくなる“音楽らしい音楽”だ。

ヘッドホンで聴くサウンドも解像感が高く、定位が明確だ。高域の微細なニュアンスが的確に再現され、低域のドライブ力も充実している。ボーカルは自然な再現性が持ち味。声に雑味がなく、歌い手の声の表情を自然に、かつ丁寧に蘇らせる。スピーカー再生のような広々とした空間再現も本機の魅力だと思う。

LVMはまさに日本の住環境にフィットした機能であり、多くの音楽ファンが待ち望んでいたものになると思う。日本市場投入のアナウンスも近いことを期待したい。

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