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デレたお嬢様の妹、それが「MOMENTUM On-Ear」

人気女性声優8人×8色カラバリ総チェック! 推しタイトルをゼンハイザー「MOMENTUM On-Ear」で聴く

公開日 2014/08/21 12:40 高橋敦
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●GREEN|小倉唯「Tinkling Smile」


MOMENTUM On-Ear(GREEN)

日本人なら誰しも緑といえばよもぎを思い出す。そうでない方は宇宙人に手術を施されて脳のよもぎ神経を遮断されその際の記憶も消されている恐れがある。そうでない限り緑といえばよもぎだ。そして声優かつよもぎといえば小倉唯さんしかいない。グーグル先生も「小倉唯 よ」と入力された段階で「小倉唯 よもぎ」に補完してくれる。

この曲は「これでもか!」と言わんばかりにポップスのキュートさの常套句を詰め込んだカワイイ炸裂ポップス。そこで地味に重要なのが音のキレだ。要所要所にリズムのキメを炸裂させるのでその部分のキレが大切なのはもちろん、そもそも全体のリズムがぴしっとしてないとキメも何もあったもんじゃない。モメたむはそこを堅実に決めてくれる。ベースのスタッカートの感じが素直だし、キメの部分でそれにユニゾンするバスドラムも膨らまずにパンッと決まっている。またベースは歌の裏でけっこう細かな動きをしているのだが、その見え方もクリアだ。それによって曲の躍動感が高まっている。

しかしこの曲の最大の難所はやはり、小倉唯さんの声質だ。花澤香菜さんのそれよりもさらに、ガチでの再現は難度が高い。なのでやはりこのクラスのヘッドホンでは、無理に挑戦されるよりは無難に聴きやすい声にしてくれた方がありがたい。モメたむは上質なシャープさまでは出せない代わりに嫌な鋭さや歪み感を出してしまうこともない。できる範囲でベストを尽くす。モメたむはできる子だ。





MOMENTUM On-Ear(PINK)

●PINK|田村ゆかり「秘密の扉から会いにきて」

フリートークでタレの話ばかりするという意味ではゆかりさんもパン澤さんに劣らず茶色いのだが、しかしゆかりさんといえばピンクだ。そんなゆかりさんのこの曲は「田村ゆかり+オープニング主題歌」の期待にストレートに応えるアッパーチューン。

この曲の特徴は恐ろしく強引なドライブ感。アレンジと演奏に関しての印象はもう(実際には様々な配慮が行き届いているのだが)詰め込みと勢いしかない!という感じだ。その土台となっているベースとバスドラムをモメたむはくっきりと打ち出してくれる。モメたむのプッシュしつつもぼやけさせず弾力のある低音が発揮されているところだ。この点がしっかりしていてこそ強引なドライブも詰め込んだアレンジも破綻しない。

しかしこの詰め込みアレンジを成立させている最大の要素は、ゆかりさんの声のそもそもの抜けのよさだろう。録音時またはその後の加工で抜ける声を作ることもできないではないだろうが、そもそも抜ける声の抜けのよさはそれで再現できるものではない。ゆかりさんのその声を前提にしてのこの詰め込みアレンジ。だからこそ実は再生環境が何であってもゆかりさんの声はしっかり届いてくる。一方、サビの頭のところなど特に高い音を強く出す箇所でも、それをキンキンさせずに滑らかに出してくれるのは、モメたむならではのポイントだ。



ということで今回は「人気女性声優×MOMENTUM On-Ear」という、何だかよくわからない企画をお届けした。

まあしかし「声優ソング」という括りは音楽ジャンルではない。なのでその括りの中には現在のポップスの要素の多くがいい感じに混在している。結果的にこの企画は「ポップス×MOMENTUM On-Ear」という汎用性の高いスクランブルテストにもなったわけだ。実に有意義!実用的! …そういうことにしておこう。

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