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<山本敦のAV進化論>第13回

「スマートウォッチ」はどれだけ使える? − 米Martianの新モデルをテスト

公開日 2014/06/18 10:36 山本敦
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「アラート」タブを選択すると、本機にノーティフィケーションを通知するアプリが選択できる。電話やEメール、SMS、LINEなどSNSアプリは着信時に送信元の相手名やタイトルなどがディスプレイできるようになっている。文字数は無制限に表示することもできるが、全角かなで最長7〜8文字ぐらいしか一度に表示できない小さなディスプレイなので、表示を最大40文字までに制限できる機能を使った方が潔いし、実用的だと思う。アラートのバイブレーションパターンも一つのアプリごとに、「Long/Short/Pause」の3つのバイブパターンを、4節まで(“Long-Long-Pause-Short”といった具合に)カスタマイズができる仕様だ。

文字のスクロールスピードなど細かな調整も可能

時刻や天気などは位置情報を把握して表示する

iPhoneの場合は通知を受けたいアプリについて、Notifierアプリで設定する前にiOSの「通知センター」から表示対象にしておく必要がある。今回筆者の使用環境ではなぜかiPhoneとの組み合わせで使ったときにメール着信のノーティフィケーションが機能しなかった。Android版では、ユーザーが端末に追加インストールした様々なアプリについても通知のON/OFFを細かく設定できるのだが、iOS版では「通知センターの表示をONにした後、そのアプリが最初の通知を実行した後でNotifierのリストに加わる仕様」と説明されているのだが、なぜかそれが上手くいかなかった。一部ソフトウェアの動作がまだ不安定な部分があるのかもしれない。

アラームのパターンをアプリごとに設定可能

モバイル端末のカメラ機能との連携も実現している。Notifier本体、左上側のボタンでカメラアプリのシャッターが切れるというものだ。筆者個人としては、スマホのインカメラで自撮りすればいいじゃないかと思うところもあるのだが、「スマホを置いて友人との集合写真を撮る時に便利な機能」として紹介されている。シャッター連動機能を利用するためには、左下側のボタンを押してモードをONにする。ONにした後、2分間は無操作状態でもカメラモードが維持されるので、連続してシャッターを切りたいときには便利だ。当機能を使うときにはLEDが強制点灯する。なおサードパーティーのカメラアプリとの連携には対応していない。

カメラのシャッター連動を稼働させたところ

他には「リーシュ」(スノボやサーフボードと足首をつなぐベルトから取ったネーミング)という機能をONにしておくと、スマホと時計がBluetoothのペアリング範囲外になるとLEDを点灯させてアラートを知らせてくれる。スマホの紛失防止に役立ちそうな機能だ。


■「時計+α」のさりげないスマートさが本機の魅力

見た目の重厚さと裏腹に軽くてかさばらない大きさなので、腕に装着してみた感触は軽やかだ。ベルト孔も複数あるので、手首が細い人にとってもサイズ調節はしやすい。反面、見ておわかりの通り、サイズ、デザインともに思いっきりメンズな感じの時計なので、女性には選びづらいと思う。なお本国では「Martian G2G Watches」という、女性ユーザーを意識したカラフルで少し小柄なモデルも発売されている。スマートウォッチのユーザーの裾野が女性にも広がって来たら、ぜひコンパクトでエレガントなルックスの製品を出して欲しい。ただ、今でも十分に小さいOLEDなのに、レディースの小さな文字盤にどうやって通知窓をつくるか、工夫が必要になるかもしれない。

シンプルな本体のボタンで様々な機能が設定できて、操作性は悪くない。アプリが安定性がもう少し改善されてくれれば、「時計+α」の、シンプルでルックス重視のスマートウォッチが欲しかったというユーザーのニーズをまとめてすくい上げられる製品になり得るだろう。


■これからどうなるスマートウォッチ

Martian Watches社のKinsey社長に同社製品のコンセプトを訊ねた際、「時計としての魅力をまず高めることで、毎日身につけていたくなるスマートウォッチをつくりたかった」と語っていた。確かに、最初は物珍しさに刺激されて使い始めたスマートウェアでも、その機能やデザインがユーザーのライフスタイルに合っていなければ、すぐに輝きを失ってしまう。例えば筆者の場合は寝る時間が不規則なので、いま流行の“スリープモニター”機能は、使い始めは睡眠の深さをモニターできて楽しいとのだが、数日すると自分の不摂生な生活に嫌気がさし、次第に見ないようになってしまった。

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