音質だけでなく使い勝手も検証

ふだん使いに最適な実力派 − PHILIPS “Fidelio"「S1」の魅力とは?

山本 敦

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2014年04月01日
フィリップスが世界初のコンパクトカセットレコーダー「Philips EL3300」を発表したのは1963年。毎年秋にベルリンで開催されている世界最大のエレクトロニクスショー「IFA」の前身である、「International Radio Exhibition in Berlin」での出来事だった。その後、フィリップスが基本特許を無償公開したことで、コンパクトカセットを用いたオーディオ製品が世界中のメーカーから商品化され、コンパクトカセット、つまりカセットテープはオーディオ用記録メディアの標準型になった。そのカセットテープを起点にポータブルオーディオのカルチャーが発展していったと言えるだろう。

“Fidelio”「S1」¥OPEN(予想実売価格9,800円前後)

音楽を持ち歩いて聴くというリスニングスタイルを創造したフィリップスが、いま最も上質なポータブルオーディオが体験できるイヤホンとして提案するのが、Fidelioシリーズにラインナップする2つのイヤホン「Fidelio S2」(公式サイト)と「Fidelio S1」(公式サイト)だ。両モデルがフィリップスのオーディオ技術とノウハウによる結晶であることは、実機に触れて音を聴けば立ち所に理解できると思う。今回はイヤホン「Fidelio S1」を中心に実力を探ってみた。

■フラグシップ「Fidelio」ならではの優れた機能性とデザイン

本機を、フラグシップイヤホン「Fidelio S2」のエッセンスを上手にまとめ込んだ弟機と捉える向きもあるかもしれないが、両機を比べてみると「S1」にも独特な世界観と強い個性があることがみえてくる。

ルックスは赤と黒のツートンカラー。マットで落ち着いた色合いに仕上がっているので、イヤホンが衣服とのコーディネートのバランスを邪魔することはない。

ツートンカラーのケーブルは個性を主張しつつも、衣服とのコーディネートを邪魔することはない

ハウジングにはアルミニウムが採用されているが、これは音の反響や振動を抑えて自然な音楽再生ができるというメリットにつながっているだけでなく、本体の軽量化と、それに伴う装着感アップにも結びついている。目をこらすと、表面には細かなヘアライン処理と磨き加工が施されている。高級ラインFidelioシリーズならではのこだわりだ。

ハウジングにはヘアライン処理と磨き加工を施したアルミニウムを採用

Y型ケーブルは長さ約1.2m。フラット形状で適度な太さがあるため、束ねても絡みにくく解れやすい。「S2」の場合はさらに被覆の片側に細かな凹凸を付けているので取り回しが非常に軽快だ。

シングルボタンのマイク付コントローラーが左チャンネル側に搭載されているので、スマートフォンでのリスニングと通話にも実用性が高い。歩きながらのリスニングでも、ケーブルのタッチノイズがほとんど気にならなかったことも付け加えて報告したい。

「S1」のケーブル(下)と「S2」のケーブル(上)

ケーブルにはワンボタンタイプのマイク付きリモコンを搭載

付属品はポーチとS/M/Lサイズのシリコンイヤーピースに、低反発素材を使ったコンプライのイヤーチップが1ペア。ポータブルで使う際、音楽を聴かない時はイヤホンはポーチに収納しておく方がいい。なぜならイヤホン本体へのダメージを避けながら長く愛用できるからというだけでなく、コントローラーの誤操作などで音楽を再生してしまい、プレーヤーのバッテリーを消耗しないで済むからだ。

付属品のイヤーピースとポーチ

イヤホンのノズルは少し前方に向かって斜めに傾いている。これは人間工学に基づいた設計によるものだという。実際に着けてみると、まるでイヤーピースだけが耳穴の中に挿入されているような感覚で、イヤホンを付けていることを忘れているような軽やかさだ。

イヤホンのノズルの向きも人体工学に基づいて角度がつけられている

これには恐らくアルミニウムをハウジングに使っているメリットが大きく影響している。銅合金ハウジングの「S2」と比べると、S1の方がよりライトウェイトに感じる。これならば耳栓タイプのイヤホンは苦手という女性ユーザーの方も、ストレスを感じることなく音楽に浸ることができるだろう。

軽量でつかいやすい「S1」であるが、音響面でも上位モデルの「S2」と同様にFidelioならではの様々な技術が盛り込まれている。

「S1」はハイレゾ音源をいかに鳴らすのか

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