ケンウッド新“Kシリーズ”「K-735」を聴く ー“ ベーシックスタイルで音の良いコンポ”を探す方にお薦め

高橋敦
2013年12月09日
ケンウッド「Kシリーズ」の新ラインナップの中で唯一、レシーバーとスピーカーがあらかじめセットになっているモデル。価格的にもいちばん手軽で、シリーズの間口を広げる役割を担うであろう存在だ。


K-735
レシーバー部は再生ソースとして、CD、iPodデジタル、USBメモリー、PCのUSB接続等に対応。ハイレゾやBluetoothには対応しないが、十分に幅広くカバーする。

アンプは信号入力から最終出力までを一貫してデジタルのままで処理するフルデジタル構成。また信号増幅段は左右の信号を独立させると同時に電源も独立構成。左右の信号の分離を確保し、より高精度な増幅を実現している。

なお電源についてはさらに、アンプ部・CDメカ部・デジタル回路部・アナログ回路部の全てを独立させた構成となっている。各部の干渉を抑え、微小信号の再現性を高める狙いだ。その電源回路のキーパーツであるトランスには、低域再生能力などに優れる「大型EIコアトランス」を採用している。

デジタル処理の面では、デジタル化や圧縮で損なわれる高域成分の補間技術「Supreme EX」の搭載がポイントだ。CDなど非圧縮の音源を想定した「音楽CDモード」とAACなどの圧縮音源を想定した「音楽ファイルモード」が用意されており、自動的に切り替わって適用される。

セットのスピーカーは単品モデル「LS-K901」の弟機と言える。50kHzまで伸びるトゥイーターには、イコライジング効果を持つ拡散器と放射特性を制御するホーンパネルを装備。ウーファー振動板は軽量かつ高剛性で応答性に優れるグラスファイバー。トゥイーターとウーファーを近接配置するなどして点音源に近付けた「UDレイアウト」は定位の明確さを高めるためのものだ。

音の印象としては、シンバルの金物感やエレクトリックギターのクリーントーンの艶など、音色の質感の再現性に優れることをまずいちばんに評価したい。つまり高音側の描写力は十分なレベルを確保している。ギターやシンセは歪んだ音色のエッジ感も心地よい。女性ボーカルもやはり手触り感の豊かさが特長だ。

低音は、ややコンパクトな印象ではある。しかしボリューム感を無理に出していないおかげで、ドラムスの太鼓のまとまりや抜けの良さなど、総じて言えば好感触。低音の厚みや広がりがほしい場合はD-BASSまたはイコライザーのBASSで稼ぐこともできる(両機能は効き具合が異なるので使い分けが必要だ)。

上位モデルには及ばないまでも、「ベーシックなスタイルで音の良いコンポを」という方を十分に満足させるであろうクオリティ。「K」の名に値するモデルだ。