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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第45回】僕の大自然体感日記:JVCケンウッドの木枠SP「Forest Notes」と5日間暮らした結果

公開日 2013/05/10 12:08 高橋敦
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Forest Notesの音質は?

さて最後に、まあこれオーディオの連載だし、一応ということで、音楽を再生してBluetoothスピーカーとしての音質もごく簡単にチェックしておこう。ただしあらかじめ断ってくと本機には、「本機は、”森の声”が最適になる音響設定をしており、通常の音楽再生には適しません」との注意書きが付されている。

まずは小さい方こと、Forest Notes mini「YG-FA2HV」。気になる方がいそうなところは音量を大きくは取れないこと。個人的にはこのスピーカーに大音量は求めないのでさほど気にならないが、様々な場面で使える汎用性を求める方はここに不満を感じるかもしれない。

miniの場合、レシーバーユニット部は枠の表側のここに仕込まれている。電源のオンオフや音量の調整もここのボタンで行う

音質も正直なところ、音楽を聴くには軽い。ベースは音の輪郭がうっすらと聞こえてくる感じだ。高音側も柔らかく丸まっている印象で、耳当たりはよいのだが音楽の細部までを聴き込むのには向かない。

しかし完全にBGMと割り切って、ぐっと小音量にして部屋の空気感的に音楽を流してみると、その遠くから響いてくるような音の届き方が心地よい。つまり「森の音」と同じような感じで音楽を流すと具合がよいのだ。やはりこれにはこれの使い方がある。

なお、全方位に音を広げることがポイントのスピーカーであるが、とはいえスピーカーとの位置関係によって音質はやはり異なってくる。スピーカーの真っ正面で開口部というか空洞部に耳をまっすぐに向けると、音の厚みが増して音楽的には聴きやすい。

続いて大きい方こと、Forest Notes「YG-FA30HV」。音量的にはやはりこちらの方が大きさを確保できる。大音量とまではいかないが、家で聴く分には普通は十分だろう。音質的には、低音の存在感が少し増しているものの、大枠としては小さい方と違和感がない。


大きい方は底面内側の目隠し板を外したところにレシーバーユニットが設置されている。目隠し板と本体の丸い穴は電源USBケーブルを通すための穴と思われる
違いを感じられるのは、森の音を聞いているときにも感じられる音の広がりだ。音が発せられる面が広く、またステレオ再生であるおかげか、響きがより豊かに広がる。広いリビングを森の音や音楽で満たしたいという方にはこちらが向くかもしれない。広いリビングとかじゃないと置き場所も確保できないだろうし。

ちなみに、本機をradikoとペアリングして人の声を流してみると、豊かなのだけれど素朴な独特の響きのある声にしてくれて、これも心地よい。

…というわけで、今回はForest Notesのサービスとスピーカーを体験してみた。正直、けっこう楽しめた。サービスとしても魅力的だし、それに最適化された音質と響きのスピーカーで魅力がさらに増している。かなりニッチなサービスとスピーカーなのでみんなにおすすめというわけにはいかないが、このコンセプトが気になった方にはおそらくその期待を裏切ることはないだろうと言っておこう。


高橋敦 TAKAHASHI,Atsushi
趣味も仕事も文章作成。仕事としての文章作成はオーディオ関連が主。他の趣味は読書、音楽鑑賞、アニメ鑑賞、映画鑑賞、エレクトリック・ギターの演奏と整備、猫の溺愛など。趣味を仕事に生かし仕事を趣味に生かして日々活動中。


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