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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第45回】僕の大自然体感日記:JVCケンウッドの木枠SP「Forest Notes」と5日間暮らした結果

2013/05/10 高橋敦
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「スピーカーに見えないスピーカー」の秘密

続いてはForest Notesスピーカーをチェックしよう。Bluetoothに対応しており、PCやスマートフォンで受信した森の配信音をワイヤレスで受け取って再生するというのが役割だ。

まず大きさを確認しておくと、miniじゃないほうはけっこう大きい。この設置スペース問題に加えてお値段のこともあるので、実際に導入するとしたらminiの方、という方が多いだろう。

大小の比較。miniは本棚の上とかにも置けるが、大きな方は床置きしかない感じ

で、気になる「これスピーカーに見えないんですけど?」というところなのだが…。

このスピーカーはキャビネット全体が木材で組まれており、その内部にエキサイターというものが仕込まれている。そのエキサイターがキャビネット全体を振動させて音を出すのだ。なので、スピーカーをスピーカーっぽい外観足らしめているドライバーユニットが見当たらないし、形も箱じゃなくて木枠といった感じになっている。

キャビネット内側がカーブを描いているのがわかるだろうか。このカーブによるホーン形状によって、響きを効率よく広い指向性で周囲に拡散させているという

キャビネット全体を振動させて発音体とするというのは、一点から音を出すことが理想とされている普通のスピーカーとは逆の発想。またminiの方は完全に割り切ってモノラル再生だったりもする。

しかし本機は普通のスピーカーではない。心地よい森の音を提供することに特化したスピーカーだ。キャビネット全体から音が全周に放射されることで、JVCケンウッド曰く「自然の感覚を生かした空間でゆったりと森の声を楽しめます」「どこからともなく森の声が聴こえてくる豊かな音場」ということなのだ。

そしてその空間の響きを生み出す肝心の木材なのだが、これは国産の栗。古くから住居の建造などに使われている、強度に優れる木材だ。その無垢材を接いでサイズを確保して利用している。仕上げは木材の風合いを生かしさらに引き立てる、亜麻仁油を主成分とした天然オイルによるオイルフィニッシュだ。

さらに凝っているのが、各面の接合方法。ただ接着するのではなく、ましてや釘やネジを使うのでもなく、伝統的な留の技法で接合している。強度と美しさを兼ね備える接合だ。なおこのキャビネットは飛騨高山の家具メーカー、オークヴィレッジが製作している。

大きな方の接合方法はその名も「蟻型千切留組(ありがたちぎりとめぐみ)」。つなぎたい板の側に蟻っぽい形の溝を掘り、そこに寸分違わぬ大きさと形の木片を打ち込むことで接合

小さな方は「挽込留接(ひきこみとめつぎ)」で接合。蟻型ほど凝った加工ではないが、接着面積を大きくして強度を高めているという

続いてこれらのスピーカーの機能的なところを確認していこう。前述のようにこれらはBluetoothスピーカーだ。またバッテリーも内蔵されているので、小さい方で約10時間、大きい方で約7時間までなら、電源ケーブルなしの完全ワイヤレス状態で使用できる。

電源&充電端子はUSBのminiB端子。USB充電アダプタとケーブルもちゃんと付属。あと一応アナログ入力のミニ端子も用意

さて、基本を確認したところでいよいよ次頁より「Forest Notesのある生活」を体験していこう。製品が届いた木曜日〜月曜日までの5日間の記録を、今回はツイート形式(〜140文字単位)の日記風でお届けします。

次ページ高橋敦の大自然体感日記:Forest Notesのある生活をお届け!

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