[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第42回】ポータブルなのに重量級!光城精工の真鍮ポタアン「KM01-BRASS」を聴く

高橋敦

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2013年04月12日
■「重いは正義!」…そんなハイエンド精神が宿るかのような“重厚ポータブルアンプ”が登場

ハイエンドなオーディオ・コンポーネントの世界においては、「重いは正義!」が一要素として成立している。筐体に厚い鉄やアルミを使うことで、筐体を頑強にして振動を抑えられるし、外来ノイズの侵入も抑えられる。逆に言えば、そこを追求すると重厚な筐体にならざるを得なくなるのだ。もちろんそういった手法に頼らずに高音質を追求し実現している製品もあるが、「重いは正義!」もひとつの事実として動かしがたい。

しかし「重いは正義!」があまり通用しない分野もある。それはポータブル製品。だって重いものは持ち歩きたくないよというのが普通の感覚だろう。

だが、世の中にはその普通の感覚を失ってしまっている人種もいる。ポータブルプレーヤーとポータブルヘッドホンアンプを二段重ね体制で持ち歩くことが日常と化した、重度のヘッドホンマニアはその一種だ。だったらそういう人種に向けては、ポータブルであっても「重いは正義!」が通用するのではないだろうか?

■真鍮削り出しボディで、「重厚で煌びやかな音」を生み出すモデル

…実際にはそんな妙なノリで企画されたわけではないだろうが、そんな開発者たちの会話を想像させるポータブルアンプが登場した。それが光城精工の「KM01-BRASS」と「KM01-TSUGARU」だ。それぞれ5万9,955円、9万8,700円。重いぜっ! しかも見た目も何か普通じゃないぜっ!

KM01-BRASS。な…なんだこの筐体の輝きは…

KM01-TSUGARU。もうオーディオ機器に見えない…

このアンプの筐体は曰く「真鍮の塊りから削り出して作られた高品位重量級ボディ」だ。手にすると、明らかに、異様なほどに重い。これが「重厚で煌びやかな音」を生み出すという。

例えばポータブルアンプの重量といえば、普通の感覚では十分すぎる頑強さを感じさせる筐体でありながらUSB-DAC機能も内蔵しているソニー「PHA-1」でも約220gだ。

しかしコレはそれよりも小型で、アンプ単機能でありながら325g。小さいのに重いので、体感的にはよりずっしりと感じる。まさに重量級だ。力一杯投げたら凶器になり得るという感覚が手に伝わってくる(※注:投げてはいけません)。

大きさはポータブルヘッドホンアンプとしてごく普通。例によってiTunes Cardを下に敷いて比較すると、底面積はほぼカードサイズ

また裏蓋と電池収納部分の蓋以外は一体で削り出されており、そのことで筐体の頑強さはさらに向上している。

裏の電池ケースを外すとその重量の要因である肉厚さの一端を見ることができる。なお単4電池1本で約14時間動作

ちなみに真鍮=ブラスといえば金管楽器を中心に楽器の素材としても用いられている。そのことから本機の筐体には、その頑強さで振動を抑え込むだけではなく、綺麗に響くことで振動を有害なものとしないという効果もある…というのは僕の推測だが、そういったことも期待させるような手応えを感じさせる筐体だ。

そして、その存在感は重さだけから発せられるものではない。仕上げにも主張がある。

使い込むほど渋みを増す真鍮の筐体仕上げ − 見た目も「エージング」

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