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384kHz/32bit・DSD再生対応の注目機に山之内正が迫る

【レビュー】ラックスマンの最上位USB-DAC「DA-06」を聴く

公開日 2013/03/27 10:58 山之内 正
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ゲルギエフ指揮マリインスキー劇場管弦楽団のショスタコーヴィチ交響曲第1番/第15番(2.8MHz音源)は、細部までクリアに分解する解像度の高さに加え、低弦や金管楽器にアグレッシブな力強さがあり、芯のある太いサウンドというのが第一印象。オーケストラの響きはSACDと肩を並べるほど重心が低いが、そこまでの量感とスケール感を引き出すUSB-DACは既存モデルにはほとんど例がなく、ティンパニの深い響きなどとともに、本機の独壇場というべき力強さがある。

実機の写真

プエンテ・セレステの「NAMA」(MAレコーディングス、5.6MHz音源)は、DSD音源ならではの迫真の臨場感を聴き取るには絶好のアルバムだ。圧倒的な情報量の余裕が生み出す立体的サウンドステージが展開し、それぞれの楽器の音像が3次元のリアルなイメージとなってそのなかに浮かぶ様子が実に生々しい。ここまでの迫真の描写はディスクでは滅多に体験できないもので、まさにスタジオでマスターをそのまま聴いているような錯覚に陥る。

■PCMのハイレゾ音源は「DSD再生とは微妙に異なるタッチ」

Windows環境では専用ドライバーのインストールが必要だが、前述のマニュアルに詳細な説明があり、設定の障壁は低い。DSDの再生音はASIO2.1とDoPいずれも付帯音がなく澄んだ質感があり、特にクラシックの音源では見通しの良いクリアな音場が広がる。

音の立ち上がりや輪郭に強調感がなく、発音の瞬間からエネルギーがスーッと伸びていく感触はまさにファイル再生の醍醐味だが、声やアコースティック楽器のなめらかなタッチなど、PCM音源とは異なるDSDらしい雰囲気を聴き取ることができた。ASIO2.1とDoP各モードのクオリティは互角で、Macの再生音にも肉迫する。

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