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【特別企画】イヤホンチップでイヤホンリスニングを変える!

<ユーザーレポート(3)>コンプライ・イヤホンチップの実力を本音レビュー!

公開日 2012/12/21 11:52 記事構成:ファイル・ウェブ編集部
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イヤホンチップ各種の聴こえ方に迫る特別企画「イヤホンチップでイヤホンリスニングを変える!」。先日ファイル・ウェブで開催したコンプライ イヤホンチップのユーザーレポートキャンペーンには、読者の皆さまより大変多くのご応募を頂き、誠にありがとうございました。

コンプライのイヤホンチップを使ってみた“読者の生の声”として、皆さまにご提出頂いたレポートの中から、いくつかを連続してお届けしてまいります。使用したイヤホンチップはコンプライ「Tシリーズ」。普段使っているイヤホンにTシリーズを装着することで、聴こえ方はどう変わったのでしょうか?今回は一気に2名のユーザーレポートをお届けします!


 ユーザーレポート(3) ペンネーム:たきざわさん
コンプライなら飛行機内でも普段と同じように音楽に没頭できる


SE535にTシリーズを装着して試聴開始!
< 試聴機器 >
・イヤホン:SHURE「SE535」
・プレーヤー:COWON「J3」

< 試聴した楽曲 >
・Fourplay『BALI RUN』
・Enya『Book of Days』
・TOTO『Africa』
・宇多田ヒカル『Deep River』
(※いずれもCD音源からリッピングしたFLACデータ)


今回短いモニター期間にもかかわらず、偶然にも飛行機に乗る機会があったため、主に機内での使用感を徹底的に比較してみました。イヤホンチップは、コンプライ「T100」のほかに、イヤホン付属の「ソフト・フレックス・イヤーパッド(純正シリコン)」「ソフト・フォーム・イヤーパッド(純正ウレタンフォーム)」の全3種類を聴き比べました(いずれもLサイズ)。


左から、「ソフト・フレックス・イヤーパッド(純正シリコン)」「ソフト・フォーム・イヤーパッド(純正ウレタンフォーム)」「T100」


■装着感

普段使用しているのは純正シリコンです。潰さずにそのまま押し込んでも簡単にフィットし、圧迫感も皆無。長時間の装着も問題ありません。純正ウレタンフォームとT100は写真のように形が違います。純正の方が径が大きくて長さが短め、T100は径が少し小さいが長さがあります。潰したときの復元速度はT100の方が遅いです。

装着感は形の影響か、純正ウレタンフォームは耳の入口近くに僅かな圧迫感を感じ、T100は耳奥に綿棒を入れたときのような感覚があります。いずれも私の場合はすぐに慣れる程度で、1時間くらいの装着で耳が痛くなるようなことはありませんでした。


■遮音性

まず、音出しなしで「耳栓」としての実力を比較しました。純正シリコンは機内の騒音が1段階下がるものの、まだしっかりゴーッという音が聴こえます。周囲の乗客の会話もある程度聴き取れます。

純正ウレタンフォームを潰して装着すると、復元して徐々に耳にフィットするに従い、聴こえ方が激変します。中域以上の騒音がほぼ消え去り、静寂の中で機体の振動するドドドドという低音の響きだけが聴こえるようになります。乗客の話し声もサワサワとしか届かなくなり、機内アナウンスはポーンという警告音が小さく聴こえる程度。音楽をかけると放送は全く聴こえなくなります。DAPに差したときのサーッという微かなホワイトノイズまで聴き取れるようになります。

T100の遮音性も強力ですが、純正ウレタンフォームには僅かに及ばず、ゴーッというエンジン音が小さく聴こえます。純正シリコンの遮音能力を1とすれば、純正ウレタンフォームは4、T100は3くらいのイメージでしょうか。ただし純正ウレタンとは異なり、T100は高域から低域までバランスよく減衰します。純正シリコンをそのまま強力にした感じです。DAPに差したときのホワイトノイズも聴き取れるくらいになります。

推測ですが、耳の入口近くの短い距離で強く減衰する純正ウレタンフォームと、弱い弾性で長い距離を使って減衰するT100の違いが、減衰の特性の差にもつながっているのではないかと思いました。


■音質

正直言って、イヤホンチップで大きな音質の変化などないものと思っていましたが、半分当たりで半分は間違いでした。自室のような静かな環境で聴く分にはほとんど差を感じないのですが、機内のような騒音のある環境では大きな違いが出ます。

純正シリコンは、高域から低域までのバランスは良いですが、残念ながら機内では微細な音まで聴き取ることはできません。

純正ウレタンフォームに換えると、『Bali Run』冒頭のピアニシモ部分の音の数が大きく増えます。ちょうど、夜空の暗いところに行くと星の数が増えるような感じです。『Africa』では初めに左チャンネルに入っている笑い声によりはっきり気づくようになります。『Deep River』では宇多田ヒカルの細かな息遣いもよくわかります。

コンプライT100にすると、微細な音まで聴こえるのは同様ですが、実は純正ウレタンフォームが低域に少し寄っていたことに気づかされます。中域から高域にかけて音の分離がより明確になり、全体のバランスが取れて音楽性がより高まります。例えば『Book of Days』の場合、純正ウレタンフォームでは荘厳な低音部に押され気味で目立たなかったピアノが、T100ではより自然に耳に入ってくるようになります。機内にいながら、普段とほぼ同じように音楽に没頭できるので、すごいと思いました。

L側に純正ウレタンフォーム、R側にT100を装着したところ


■まとめ

全体として、音出しなしで聴いたときに耳に入ってくる騒音が、音楽を聴くとそのまま上乗せされるような、当たり前ともいえる結果になりました。

騒音をシャットアウトするだけなら純正ウレタンフォームが最強でしたが、私の場合コンプライT100のLサイズがうまくフィットしたのか、バランスの良い遮音性が得られました。音楽を楽しむという点ではT100の方に軍配が上がりました。

なお今回は期間が短いため、耐久性については比較できませんでした。コンプライのイヤホンチップは優しい弾力性でフィットさせているので少しの劣化で遮音性が大きく落ちる可能性がありますが、旅行期間中など短期の場合なら安心して使えそうです。

私はSE535+機内という条件で比較しましたが、純正ウレタンフォームでは痛かったりうまくフィットしない人、フィットしても音のバランスに満足いかない人などは、コンプライのチップを試す価値があると思います。<了>

次ページ続いて、Scosche「IEM856m」を使用するペンネーム kskmeukさんのレポートをお届けします!

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