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【Phile-web読者 × 大橋伸太郎】ヤマハAVアンプ“AVENTAGE”最上位機「RX-A3020」の進化を検証する!

公開日 2012/11/02 09:32 記事構成/ファイル・ウェブ編集部
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安井氏は「まさにいま“効果がわざとらしかった”と仰いましたが、CINE-DSPの頃はそれくらい音に“濃い味付け”をすることで、セパレーションの悪さや帯域制限のかかったサラウンドchの音に対してもしっかり効果が出るように工夫をしていました」と解説した。「これが変わったのはDVDの時代が来てからです」と安井氏は続ける。

「CINE-DSPの頃は映画ソフトの音声がアナログ故にセパレーションが悪かったことが大きい」と語る安井氏

DVD時代が到来し、オーディオの形式がアナログからデジタルに移行すると、映画館と同じ5.1chサラウンドの音声ソースが一般家庭でも手に入るようになった。ホームシアターの音と映像のクオリティが一挙に進歩したこの時期に、それまでドルビープロロジックの4ch再生に対応する前後ゾーン独立・2音場であったCINE-DSPは、ドルビーデジタル5.1ch再生対応・リア左右ゾーン独立の3音場処理を施した「シネマDSP」に進化する。この3音場処理を実現したシネマDSPがいち早く搭載されたのが、DVDプレーヤーの発売を翌年に控えた1995年に登場した「DSP-A3090」だ。

DSP-A3090

1999年には、ドルビーデジタルEX/DTS-ESに対応し、リアセンターゾーンを新たに独立させた4音場処理に進化したシネマDSPを搭載する「DSP-AX1」が発売される。さらに、ロッシーからロスレスのHDオーディオへの移行に向けた2004年には、既存サラウンドフォーマットに完全対応し、合計8基もの演算用LSIで生の音場データにおける膨大な初期反射音情報の完全再現を目指した「HDシネマDSP」を搭載するフラグシップ「DSP-Z9」が登場した。シネマDSPは最新の音声フォーマットに対応しながら進化を続けていく。

DSP-AX1

DSP-Z9

さらに2006年、ヤマハは“生の響きにより近づける”ことを目的とし、シネマDSPの音場データのサンプリングを総合的に見直した。BDソフトのHD音声やデジタルテレビ放送のマルチch番組といった新しいAVソースも意識し、それまで初期反射音の「時間軸」を基準としていたサンプリングを「音量レベル軸」へ変更。音場プログラムの体系もシンプルに刷新された。そして2007年、生の音場データの完全再現を目指したシネマDSPの最高位「シネマDSP HD3」を搭載する、フラグシップZライン最高峰「DSP-Z11」が登場する。

DSP-Z11

今回の視聴会では、RX-A3020でこの「シネマDSP HD3」を体験した。「ヤマハのシネマDSPは、AVアンプの新モデルが登場するたびに細部のブラッシュアップを重ねて進化しています」と安井氏は語る。RX-A3020に搭載される「シネマDSP HD3」も、Z11と全く同じではない。DSPデバイスは従来の「DA70Y」から「DA80Y」に変更され、更なる音場モードのリアリティが追求されている。

安井氏の説明を聞く参加者と大橋氏

安井氏の説明に「なるほど」と納得した様子の新井さん。【第一章】で映画『プロメテウス』を視聴したときには、「DSPモードをONにしてサイファイにした途端、より空間の広さが感じられ、部屋が広がったようになりました」と感想を語っていた。

新井さんは「これまで、DSPの音は“作られた音”だと思っていてあまり使いませんでしたが、今回の視聴ではむしろDSPをかけた方がリアリティが増して音が自然になったことに驚きました」といい、「これならホームシアターを楽しむときに8〜9割はDSPをかけたくなります」とコメントした。

「シネマDSPを入れた方がリアリティが増した」と語る新井さん

「あまりDSPを使わなくなってしまっていた」と話していた阿部さんも、「今日の視聴でシネマDSPに対する考えが変わりました」という。「映画作品にあわせて様々なシネマDSPプログラムの楽しみ方があることがわかりました」と、ヤマハのシネマDSPによって映画の臨場感が増すことを実感したようだ。

「シネマDSPに対する考えが変わった」と語る阿部さん

2010年代に入り、シネマDSPは圧縮音声補間技術ミュージックエンハンサーとの併用に対応。インターネット経由のストリーミング配信やゲームなど、圧縮音声を採用した最新のエンターテイメントコンテンツも意識し、さらなる進化を続けている。

スマホ、タブレットPC用操作アプリからもシネマDSPプログラムを選択することができる

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