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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第15回】徹底検証! iBasso「HDP-R10」のハイスペック機能をガッツリ試す

公開日 2012/08/28 11:17 高橋敦
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■絶対領域的「HDP-R10」ガッツリ掘り下げレビュー! アプリの使い勝手は? DSD再生の音質は?

iBasso Audioとヒビノの共同開発によるハイエンドポータブルプレーヤー「HDP-R10」が遂に発売を迎える。これはもちろん本連載としても見逃せない。先行掲載された最速レビューからバトンを受け、こちらでは追加情報、設定による音の違い、DSD再生の実際などを掘り下げていこう。

サイズ感は初代ゲームボーイを一回り小さくした程度で何か懐かしい持ち心地。ちなみに僕のゲームボーイは友人に貸したきり二十年ほどが経過…

この連載は通常から無駄口を叩かずソリッドなレポートを心がけているが、今回は何しろチェック項目が多いので、いつにも増してそうさせていただく。

■DAC、搭載パーツなどの基本仕様を確認!

まずは基本を押さえておこう。本機のベース機はiBasso Audio単独開発のDX100。ではベース機からは何が変更されているのだろうか。海外でDX100が発売されてから本機の発売までのタイムラグを考えると、生半可な変更ではないはずだが…。

実際、その変更内容は多く、そして大きい。

ヘッドホンアンプ部のオペアンプは「OPA627」という型番のものに変更されている。音にこだわるマニアの方が交換用や自作用として使うことも多い、定評あるオペアンプだ。これは生産数が少ないそうで、開発発表当時、メーカーは「世界中に注文してかき集めている」と語っていた。

DACのI/V変換回路のパーツも変更されている。ご存じ無い方のために、I/V変換とは電流/電圧変換のことを指す。DACチップから出力された電流信号を、アンプ回路に渡す前に電圧信号に変換する回路だ。オーディオにおいて「〜変換回路」というのは音質に大きな影響を与える。D/A変換しかり、電源の交流/直流変換しかり。その重要なI/V変換のキーパーツが強化されているのだ。

電源周りの回路に至っては本機専用設計。そしてバッテリーはぐっと大容量化されている。DX100の再生時間は7時間だが、こちらは96kHz/24bit再生時で9時間。それでいて筐体サイズはDX100と変わらず、重量は体感できるほどではないが、少し軽くなっている(265g→260g)。

ソフトウェア面では、DSD(DSF)ファイルの再生に対応したことが大きい。ネイティブ再生ではなくPCM変換再生だが、それでも注目を集めるだろうポイントだ。

また独自の再生アプリ「HD Music Player」のインターフェースも、HDP-R10に合わせて若干変更されているとのことである。

次ページオリジナル再生アプリ「HD Music Player」の使い勝手を徹底検証!

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