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話題の製品の使い勝手や音質とは?

【最速レビュー】iBassoの超弩級ポータブルオーディオプレーヤー「HDP-R10」を聴く

2012/08/21 野村ケンジ
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ポータブルオーディオを楽しむ多くのファンが待ち望んだ、大注目の製品がいよいよ発売される。それが、iBasso(アイバッソ)とヒビノインターサウンドの共同開発より生まれたポータブルオーディオプレーヤー「HDP-R10」(関連ニュース)だ。

iBasso Audio「HDP-R10」

左側面には電源スイッチを装備。iBassoのロゴも見える

2011年の年末に発表され、当初のスケジュールでは春に発売予定だったものの、諸事情により夏へと延期された。このため、ユーザーはその存在を知ってから8ヶ月ほど待たされることとなった「HDP-R10」だが、それだけの期間が空いたとしても、ほかに目移りせず待ち続けたくなるだけの魅力を、この製品は十分に持ち合わせている。

MP3やAACなどの圧縮形だけでなく、最高192kHz/24bitまでのハイレゾ音源(WAVやFLACなど)やアップルロスレス、今年流行のDSD(DSF)まで再生できる、これまでのポータブルプレーヤーにはなかった対応フォーマットの幅広さや、Android OS(バージョンは2.3)採用による拡張性の高さにも注目だが、やはり「HDP-R10」にとって最大の魅力は、徹底的にこだわったサウンドクオリティだろう。

ネットワーク設定画面。AndroidのUIに準じている

■思わず目を疑ったほどのハイスペックぶり

その内容は、最初プレスリリースを見たときに我が目を疑ったほどだ。まず、音質の要となるDACには、ESS Technology社製の「ES9018」を搭載。ES9018はサウンドクオリティの高さに定評あるDACチップで、メジャーどころではマッキントッシュの最新プリアンプなどにも採用されているが、据え置き型を前提としているためか、消費電力がかなり大きく、ポータブル製品への採用はまず無理といわれていた。「HDP-R10」では、音質のためにそれをあえて搭載してきたのだ。しかもデジタルプロセッサー(内部に保存されて音楽データをDAC向けに変換する部分)とはI2S接続、さらに音楽信号と同期信号を別々に伝送するという、細部までとことんこだわった様子が見られる。

さらに、オペアンプにはTI(Texas Instruments)社製バーブラウン・ブランドの「OPA627」を、またヘッドホンへの高出力を実現するために同じくTI社製バッファアンプ「BUF634」を採用するなど、これでもかというくらい徹底した音質への追求ぶりがうかがえる。

上部。充電用端子のほかマイクロUSB端子、光デジタル出力端子、同軸デジタル出力端子を装備

なお、バッテリーは大きな消費電力をカバーするため、4,800mAhという大容量のリチウムポリマーを採用している。これによって最大10時間(44.1kHz/16bit再生時)の音楽連続再生、最大100時間のスタンバイ持続時間を実現しているというが、よくあるリチウムイオンではなく、ノイズの発生が少なく音質的に有利とされるリチウムポリマーを採用している点も、単なる偶然ではないはずだ。

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