クリプシュ誕生の背景とこれまでの歩み

岩井喬
2012年08月03日

■スーパーロングセラー「Klipschorn」

「Image X10」、「Image X5」といったカナル型ヘッドホンによって、ここ日本でもその名を知られるようになったクリプシュ。しかし、そもそもクリプシュはヘッドホンブランドではなく、1946年にアメリカ、アーカンソー州で創業した歴史あるスピーカーブランドである。

物理学者として著名なポール・W・クリプシュ氏によって創設された同社の歴史の中で、古くからのオーディオファンにも知られている名機が「Klipschorn」(クリプシュホーン)だ。「Klipschorn」はリスニングルームのコーナー部に設置し、床や両端の壁もホーンの延長として捉える、大型のオールホーン・3ウェイフロア型スピーカーとして、誕生から50年以上に渡って製造される、脅威のスーパーロングセラーモデルだ。

創設者のポール・W・クリプシュ氏

この「Klipschorn」以降も同社ではホーン型スピーカーシステムを伝統的に開発しており、現在の主要ラインナップもホーンスピーカーが占めている。

Klipschorn

なお、クリプシュではコンシューマー向けラインナップ以外に映画館や設備向けを中心にした業務用ラインナップも展開。これら業務用のシェアでもNo.1となっており、米国『ハードロック・カフェ』の公式スピーカーとしても指定されている。

映画館やカフェなど業務用分野でも高い実績を持っている

音響機器に関する多数の特許を保有

さらに民生、業務用の各分野でTHX認証を取得。クリプシュは海外では実力のあるスピーカーブランドとして広く知られているのだ。

クリプシュ本社にはホーンをかたどった巨大なオブジェも設置されている

またクリプシュでは音響機器に関して30以上もの特許を保有しており、スピーカーやヘッドホン製品にもそうした技術が投入されている。クリプシュスピーカーは日本市場へも何度か紹介されているが、コンシューマー用としてよりも映画館(『ユナイテッドシネマ豊洲』ほか)などの業務用として採用された実績も数多くあり、まだまだ認知度は高くないが、ストレートで鮮度の高いホーンサウンドを味わえる数少ないスピーカーブランドとして注目に値する。

そして、現在イーフロンティアによって日本市場に展開されているクリプシュスピーカーは、上位モデルとなる「Reference」、リーズナブルな「Synergy」、薄型テレビと組み合わせたAV環境に最適な「Gallery」の3シリーズ計29製品が展開されている。

Referenceシリーズ「RF-7 II」

今回取り上げる「Reference」シリーズは、ペアで50万円を切るフロアスタンド型「RF-7 II」をトップエンドに据えた、リーズナブルなハイエンドシリーズだ。

Tractrixホーンに取り付けられるトゥイータードライバーにはチタン振動板を採用。ウーファーにはブランドカラーであるブロンズカラーが映える軽くて丈夫なセラメタリック振動板を用いている。

「RF-7 II」は25cmダブルウーファーによる2ウェイ3スピーカーモデルで、能率は101dBというスペックを持つ本格派。コンパクトなブックシェルフ型も用意している。なお、サラウンドに最適なセンター&リアスピーカーのラインナップもウーファー口径やユニット数構成の違う複数のモデルが用意されているので、部屋のサイズや設置スペースによって幅広いチョイスが可能となる。

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