“プレミアム”モデルとしてクオリティを磨き込んだ新DIGA「DMR-BZT920」を山之内正がチェック

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取材・執筆/山之内 正

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2012年06月18日
今期発売のDIGAは機能とクオリティを両立

パナソニック製BDレコーダーの春モデル「スマートDIGA」シリーズは、シンプルWi‐Fiの導入などネットワーク機能の充実に話題が集まりがちだが、特に最上位機種BZT920は画質と音質への強いこだわりを盛り込んでおり、基本性能の向上が著しい。


もちろん、その背景にはプレミアムモデル「BZT9000」の存在がある。究極の性能を目指して開発されたフラグシップ機から設計思想やノウハウを継承することによって、前作BZT910からさらに進化を遂げているのだ。高音質パーツの投入や電源ケーブルのアップグレードはその一例だし、前後長をさらに短縮して筐体の剛性を高めた点も画質・音質の向上に寄与しているはずだ。

画質面では「ディテールクラリティプロセッサforBD」を一新。動作範囲を拡大し、鮮鋭感を抑えた自然な描写力を獲得するなど、上位モデルにふさわしいきめ細かいチューニング機構を積んだ点が新しい。シュートを伴わずに色の切れを良くし、実質的な色解像度を改善する「リアルクロマプロセッサplus」も上位機種ならではの装備として見逃せないポイントだ。

BDソフトの再生時、ディテール描写に下位モデルとの差を見出すのは難しくない。『ラスト・ターゲット』でライフルの試射をする場面、中景から遠景にかけての自然描写が緻密に感じるのは、明らかにリアルクロマプロセッサplusの威力だし、人物のクローズアップではスキントーンのなめらかさが際立つ。精細感の高さはライヴ映像からも克明に読み取ることができ、コヴェントガーデンの『アドリアーナ・ルクヴルール』の舞台装置や衣装の美しさには目を奪われた。

本機で録画した映像は50型クラスの大画面で見ても細部に曖昧さがなく、色の切れの良さを読み取ることができる。情報量のゆとりは、普段何気なく観ている番組のタイトル映像などからもしっかり伝わり、思いがけず新鮮な発見につながった。地上波では番組ごとの輪郭や質感の違いなど、細かい画作りの特徴が浮かび上がるので、本機で録画した番組を見ると、画質の優れたプログラムを容易に見分けることができる。

再生音の改善につながる技術は前述のアナログ的な対策に加え、信号経路の短縮など、デジタル回路においてもきめ細かい工夫を盛り込み、時間をかけて音質を追い込んでいることがうかがえる。32bit仕様のD/Aコンバーターは高音質のバッファ回路を内蔵しており、信号経路の短縮とノイズ低減の両立を図っているという。また、本体左側天面には「Qi」に対応する無接点の充電機能を新たに搭載しているが、同機能が音質に影響を与えることがないように、レイアウトやシールド対策を徹底している点にも注目しておきたい。

動作中に筐体に触れてみればすぐに気付くことだが、光学ドライブやハードディスクの振動がボディに伝わりにくく、物理的な動作ノイズも歴代機種のなかで最も小さいレベルに抑えられている。小型化による剛性の向上に加え、ケース防振対策を徹底した成果であろう。

そうした対策が功を奏し、本機はノイズ感やざわつき感の少ない澄んだ再生音を聴かせ、作品の内容に集中できるS/Nの良さを獲得している。オーケストラやオペラなどダイナミックレンジの大きなプログラムを再生しても低音の腰が砕けることがなく、安定したバランスを獲得しているという印象を受けたが、そのスケールの大きさとローエンドの伸びは、フラグシップのBZT9000に迫るものがある。

「家じゅう録画一覧」機能など便利なネットワーク機能もチェック

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