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林正儀イチオシのブルーレイ3Dタイトル紹介

「明るく高画質な3D」をホームシアターで楽しもう − ナルニア&ガリバーをエプソン新“ドリーミオ”で見る

2011/11/22 レポート/林正儀
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今年の秋は注目の3D対応プロジェクターが有力メーカーから発表されたことで、「家庭で楽しむ大画面3Dシアター」がさらに盛り上がりを見せそうだ。今回は評論家の林正儀氏が、普段から3D映画のリファレンスソフトとして活用している『ナルニア国物語/第3章』『ガリバー』の2作品を、エプソンの3D対応“ドリーミオ”新機種で視聴した。ふだん林氏が視聴評価のポイントとしている各シーンを見ながら「3D映像+サラウンド」で楽しむホームシアターの魅力を紹介しよう。

「明るい3D」が3Dソフトの魅力をいっそう高めてくれる

エプソンから新しく発売されたホームプロジェクター“ドリーミオ”「EH-TW8000W」の最大の魅力のひとつは「明るい3D映像」だ。230Wの高出力E-TORLランプと、パネル駆動技術「ブライト3Dドライブ」を搭載し、3D再生時のクロストークを抑えながら、2,400ルーメンの明るさをマークしている。これは3Dメガネをかけても断然余裕のある輝度パワーであり、リビング環境での大画面3Dシアターにぴったりだ。


「明るい3D映像」を実現したエプソン“ドリーミオ”のフラグシップモデル「EH-TW8000W」で視聴を行った

専用のアクティブシャッター3Dメガネが付属する
そして、もうひとつの大きな特徴が型番末尾の「W」が示す通り「ワイヤレス」で、HDMI信号のハイビジョン映像と音声などを飛ばせることだ。BDレコーダーやプレーヤーを同梱のWirelessHDトランスミッターにつなぐだけで、画質の劣化なしに、簡単なセッティングでワイヤレス再生ができるわけだ。距離は10メートルを保証。これは断然スマートで、プロジェクター本体へ長々とHDMIケーブルをはわせることもなく、設置の自由度を高めてくれる。さらにスタンダード機の「EH-TW6000」シリーズは、本体に10W×2のステレオスピーカーも内蔵している、至れり尽くせりの内容だ。

これほど明るく高画質な3Dが楽しめるプロジェクターが登場してきたわけだが、一方で3Dソフトの映画タイトルも、いま注目の作品が目白押しだ。3Dの映像の完成度がますます高まり、迫力のロスレス・サラウンド音声も収録するブルーレイ3Dでしか味わうことのできない魅力が、いま「明るい3D映像」を再現するプロジェクターが出そろったことで、さらにその魅力を高めようとしている。

今回は筆者が普段から視聴用リファレンスにしている3Dタイトルの中から、『ナルニア国物語/第3章 アスラン王と魔法の島』『ガリバー旅行記』の2つのアドベンチャー作品を視聴しながら、それぞれのタイトルで3D映像やサラウンドの“見所”となるオイシイ箇所を徹底紹介していこう。

今回の視聴のリファレンスに用いたパナソニックのBDレコーダー「DMR-BZT9000」

サラウンドAVアンプのリファレンスには、パイオニアの「VSA-LX55」を組み合わせた


「大」と「小」の世界の対比を緻密に描き出す3D映像の面白さ



『ガリバー旅行記』
4枚組3D・2Dブルーレイ&DVD&デジタルコピー〔初回生産限定〕 /¥5,990(税込) ・発売中
発売・販売元 20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント

(C)2011 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.


まずは『ガリバー旅行記』からチェックした。冒頭「チャプター6」の、嵐の中の遭難シーンから、これまでに見たことのないほどスゴい3D映像に出会える。CGで描かれた波の滴がひとつひとつ、リアルにキメ細かく描かれているのがよくわかる。あっという間に巨大な渦が出現し、船ごと飲み込んでしまう。その渦のグルグルとうなりを上げる立体感が、3D映像とともにDTS-HD Master Audioのロスレス・サラウンドの効果で増幅されて、いきなり“音と映像でダブルの3D”が体験できるのだ。

3D版『ガリバー旅行記』のディスクをセット!

『ガリバー』の世界に没入する筆者。音元出版視聴室にて、5.1ch環境リファレンス環境をつくってテストを行った

続いて「チャプター7」を再生。捕らえられたガリバーが見たのは、身長8センチの小人の世界“リリパット王国”だ。この圧倒的なサイズの差!主人公を取り巻く風景はまるでミニチュアのようだが、エプソンのプロジェクターで3D再生すると、お城の建築や、王国のキャラクターひとり一人の衣服など、ディティールが余すところ無く再現され、目に飛び込んでくる情景の豊かなリアリティによって、グイグイと作品の世界に引き込まれてしまう。


捕らわれの身となってしまった主人公ガリバー。“小人”たちとのサイズ感の違いも緻密に表現されるのが本作品の面白さのひとつだ ※写真は2D版の場面カットになります
ガリバーとの大きさの違いによる映像効果を巧みに演出しながら、カメラのアングル、美術・衣装、キャラクターの動きなど、製作スタッフはさぞかし製作の手間を費やしたと思われるが、それらの苦労が実を結んで、3D効果をこれほどうまくピタリとはまって再現されている作品も珍しい。城を俯瞰する場面では吸い込まれるような奥行感に見入ってしまい、3Dメガネをかけながら、思わずスクリーンの側に身を乗り出したほどである。


王国の建造物は3D映像で緻密な奥行き感が再現される ※写真は2D版の場面カットになります
前半の見せ場は「チャプター14」の敵艦隊との戦闘シーン。海に入った巨大なガリバーは3Dで見ると、思わず見上げてしまうほどの迫力だ。ミニチュアの船との対比がまた巧妙な視覚効果を生んでいる。特にグっと引いたアングルでの、ダイナミックな遠近感がすばらしい。これもエプソンの“ドリーミオ”の色再現が芳醇で、3D再生のノイズ感が非常に少ないからだろう。ソフトの持つ情報を、プロジェクターが残さず再現していることで3D感が高められているのだ。


ガリバー対小人たちのつくり出す映像の遠近感も本作ならでは ※写真は2D版の場面カットになります
一転してガリバーが巨人の国で“小人”になってしまう「チャプター18」では、主人公が人形の衣装を着せられたり、少女のペットにされるコミカルな場面が楽しい。ここではガリバーを手前にして、奥側に少女の大きな顔が迫ってくるシーンが3D的に大きな見所。映像のボケ味を活かした近距離撮影で、細かな奥行き情報の再現とともに3D映像ならではの面白さをまたひとつ発見することができた。

物語の終盤、悪玉巨大ロボとの戦いのシーンは、硬質なロボットのボディと、ガリバーの太った体系がミスマッチングで、これは抱腹絶倒の格闘シーンだ。ロボットの真っ赤なスーツが色鮮やかに、かつ明るいメタリックな質感描写も逃さず再現される。3D映像が明るくないと、ロボットのスーツがとてもチープに見えてがっかりしてしまうのだが、エプソンTW8000シリーズで見た映像は、色の再現力、周囲に広がるミニチュアの風景の細部が的確に表現され、物語の世界にどっぷりと浸ることができた。


ロボットのメカニックな質感も明るい3D映像で正確に描写される ※写真は2D版の場面カットになります
バックには80年代のロックが流れ、キャラクターたちもノリノリだ。スピード感たっぷりのサウンドトラックがガリバーの奮闘を後押しして、興奮のバトルを熱く盛り上げる。高音質サラウンドの醍醐味もしっかりと楽しみ尽くしておきたいワンシーンだ。

次ページ続いて『ナルニア国物語/第3章』の見所を紹介!

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