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ビクターの独自技術が生んだ高音質

2つの“業界初”が生み出す圧倒的な高密度サウンド − JVCのカナル型イヤホン「HA-FXT90」を聴く

2011/06/30 レビュー/岩井 喬
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“厚みのある音”が注目を集め、人気を博すJVCのインナーイヤーホン「HA-FXT90」。本機の魅力をビジュアルグランプリ審査員の岩井喬氏が紹介する。



2つの“業界初”が生み出す圧倒的な高密度サウンド

音の厚みを生む、画期的ユニットを搭載

HA-FXT90は、今流行のバランスドアーマチュア型でもなく、一般的なダイナミック型とも違う、独自のマイクロHDユニットを進化させ、並列配置しダブルで用いるという、業界初の画期的な構造「ツインユニットシステム」を搭載したカナル型モデルである。しかもこのツインシステムユニットは、同じユニットをただ並列しているわけではなく、一般的な2ウェイ仕様ということでもない。低音域を再生するユニットはカーボン振動板タイプで、中高音域用には業界初となる「カーボンナノチューブ振動板」を採用したユニットを盛り込んでいるのである。

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業界初!「ツインシステムユニット」
中高域用、低域用2つのダイナミック型ドライバーを並列配置し一体化した独自構造「ツインシステムユニット」を採用。上のグラフのように、中高域、低域、それぞれのユニットの再生帯域をあえて重ねることにより、中低域に厚みを持たせた高密度サウンドを達成している


カーボンナノチューブとは、結晶構造がカーボンより強固な最先端素材。応答性に優れており、中高域特性に最適な歪みの少ないクリアで伸びのあるサウンドを得ることができる。さらに通常の2ウェイ機であれば、2つのユニットをクロスオーバーさせるネットワークが介在するが、本機は2つのドライバーをそのまま駆動。帯域の重なりを有効利用することで、繊細かつ明瞭なディテール描写力とともに音に厚みを生み出しているのである。

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業界初!「カーボンナノチューブ振動板」
結晶構造がカーボンとは異なる、高強度なカーボンナノチューブを使用した振動板を業界で初採用。不要な振動を抑える比重の大きい金属を採用したメタルユニットベース内に、低音域の再生特性に優れたカーボン振動板と、中高音域の再生特性に優れたカーボンナノチューブ振動板を搭載したドライバーを並列に配列。2つのドライバーの音を重ねることにより、厚みのある高密度なサウンドを実現した



一線を画す音の存在感、密度感を獲得

音筒部の先端にマイクロHDユニットを搭載した「HA-FXC71/51」と比較すると、深みを持つ量感豊かな中低域に違い出ており、音像の存在感や密度が圧倒的に増している。また、ネットワークを省略したことで、帯域間の山谷が少ないスムーズな音の繋がりを獲得。特にボーカル帯域の自然さ、バランス良くゆとりのある厚みに繋がっている。中低域にこだわったモデルが相次ぎ登場する中、他とは一線を画す、今夏の注目モデルである。


【HA-FXT90 SPECIFICATIONS】
●形式:ダイナミック型 ●出力音圧レベル:107dB/1mW ●再生周波数帯域:8Hz〜25kHz ●インピーダンス:12Ω ●最大許容入力:150mW ●ケーブル:1.2m Y型、ステレオミニプラグ L型 ●質量:約6.8g(コード含まず) ●付属品:イヤーピース(S/M/L)、コードキーパー、クリップ、キャリングケース

【問い合わせ先】
JVCケンウッドカスタマーサポートセンター
TEL/0120-2727-87


岩井 喬 プロフィール
プロ・民生オーディオ、録音・SR、ゲーム・アニメ製作現場の取材も多数。小学生の頃から始めた電子工作からオーディオへの興味を抱き、管球アンプの自作も始める。 JOURNEY、TOTO、ASIA、Chicago、ビリー・ジョエルといった80年代ロック・ポップスをこよなく愛している。

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