HOME > レビュー > ハイクオリティな音とデザインにこだわる「PHIATON」 − 注目ヘッドホン&イヤホンを集中試聴

個性豊かな4モデルに迫る

ハイクオリティな音とデザインにこだわる「PHIATON」 − 注目ヘッドホン&イヤホンを集中試聴

公開日 2011/03/11 10:04 レビュー/高橋 敦
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

優れた音質と装着感を実現した“ハーフカナル型”イヤホン「PS 210」

ハーフカナルタイプのイヤホン「PS 210」

同社がハーフカナル型と呼ぶ形状を採用したイヤホン。イヤーピースを耳にそれほど深くは挿し込まないので、一般的なカナル型イヤホンにありがちな違和感や圧迫感がないのが特長だ。デザイン面ではハウジング部の、ジェットエンジンのタービンを連想させる意匠も印象的である。なお本機は日本とドイツにおいて著名なプロダクトデザイン賞も受賞している。

ハウジングには振動に強いアルミ素材を採用した

ハーフカナルタイプのデザインを採用することで、装着時にも完全に密閉されることがなく、音の逃げ場が確保されていることから、長時間のリスニングにもストレスを感じないメリットがあるという


専用のキャリングケースを付属

付属のイヤーピースはL/M/S/XSの4種類
ハウジングには制振効果の高いアルミ素材が採用されている。また、ハウジングの内部には、より豊かに低域のサウンドを増幅するために空気室をふたつ用意した「デュアル・チャンバー構造」を採用している。またハウジングに空気孔を設けて、内部に生まれる空気の流れをチューニングしたことにより、柔らかな音色が実現されている。さらにハウジング・ダンパーとウェーブガイド・ダンパーも搭載し、振動抑制は万全だ。なお、iPhone対応コントローラーマイク付きのPS 210iも用意されている。


PS 210の構造図

ハウジングは「デュアル・チャンバー」構造を採用し、より豊かな低音再生を実現している
その音調は、低音側は自然な手応えの太さを持ち、高域側はアタックがきつくなく、響きの残し方も柔らか。Helge Lien Trio「Spiral Circle」は、本来はガチガチと硬質な音調が特徴の音源だが、その要素をむやみに強く引き出さず、むしろしなやかに描き出してくる。しかしそこに違和感はない。ウッドベースはアタックのゴリッとした感触を控え、木質の柔らかな響きを活かす。ドラムスも同様にアタックよりも響きが印象的だ。スネアのロール(細かな連打)も分離が悪いということではなくて、好ましい意味でつながりがよい。シンバルは突き刺す痛さのない、細やかなほぐれ方だ。


ハウジング部の独特なデザインも本機の魅力。2010年には日本でグッドデザイン賞を、ドイツでreddot design賞をそれぞれ受賞している
荒井由実「ひこうき雲」は冒頭のヒスノイズからして柔らか。ベースは豊かな広がりを見せるが、音場内での収まりもよく、歌を邪魔しない。そしてこの音調であるから、歌の感触はもちろん良い。手触りや抑揚の描写も良好で、この歌の持つ哀しい穏やかさを、しっかりと伝えてきてくれる。

ルックスは個性的で先鋭的だが、音調は柔らかく優しいというギャップに少し驚かされたが、実に音楽的なチューニングが施された良質なイヤホンである。




【PS 210のスペック】●形式:ハーフカナルタイプ ダイナミック型 ●ドライバーユニット:14.3mm ●再生周波数帯域:10Hz〜27,000Hz ●インピーダンス:32Ω ●出力音圧レベル:98dB ●最大入力:30mW ●質量:8.2g(コード除く) ●ケーブル長:1.2m ●付属品:4種類のシリコンイヤーチップ(XS/S/M/L)、キャリングケース

◆PHIATONオフィシャルサイト 「PS 210」の製品情報
◆Phile-webニュースの「PS 210」関連ニュース


【PHIATON製品に関する問い合わせ先】
PHIATON CORPORATION
フリーコール/0120-959-234
携帯電話・PHS/045-478-3390

前へ 1 2 3 4 5

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック: