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3Dテレビ普及の起爆剤になるか

【レビュー】3Dアダルトソフトの実力をマジメに検証する

公開日 2010/07/09 18:08 編集部:風間雄介
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肝心の「興奮度」はどうなのかという点だが、これについては、2Dよりも3Dの方が興奮度は高いはず、と言っておきたい。

ちょっと表現が引き気味なのは、今回のテストは会社の視聴室で行ったので、むやみに興奮するわけに行かず、実際の利用シーンでの効果についてはあくまで予測するしかないからだ。ものすごく主観的な数値で恐縮だが、場面によるものの、概ね興奮度は1.5〜2倍程度に高まるのではないか。

特に主観カメラ映像での没入感の高さは並大抵ではなく、自らがその場にいるような臨場感が感じられる。この主観カメラによる撮影は、今後3DのAVソフトが増えたら、こういった趣向の作品が再び脚光を浴びるかもしれない、と感じさせるほど相性が良い。

先ほどのイメージビデオでも感じた事だが、体半分がフレームに入っているようなアップ気味の構図の場合、無理のない立体表現が実現するようだ。

逆に、複数人がフレームの中で思い思いに動いているような構図、あるいは近景と遠景の距離がありすぎるような構図では、よほど3D調整に注意しないと、ソースに起因する二重像が発生して集中力が削がれてしまう。

いずれにしても、肌色の連続曲線を立体として知覚できるということがこんなに楽しいものか、と感動を覚えたことは事実だ。

反面、課題もある。寂しく感じたのは、3Dメガネによって色情報が失われてしまうため、肌色が全体的に青みがかってしまうこと。血色が悪く感じられてしまうのは、こういった類のソフトとしては残念だ。

また当然ながら輝度も落ちるので、明るい場所での視聴には適さない。これについては、アダルトソフトを明るいリビングで視聴する方は多くないと思うので、さほど問題はないと思うのだが。

なおサイドバイサイド映像の場合、3D対応テレビのメニューからサイドバイサイドを選択しないと立体視ができないので注意したい。毎回設定し直すのが面倒なので、自動判別してくれると便利そうだが、以前あるテレビメーカーの技術者に問い合わせてみたところ、誤作動の可能性もあるので難しそうだという回答だった。

◇  ◇  ◇


今回の視聴を通して、当初予想していた以上に、3Dとアダルトの相性が良いことがわかった。だが何度も書いているように、今回視聴した作品はDVD、しかもサイドバイサイドであり、絶対的な解像感の不足を感じたことは否めない。

これがHDのサイドバイサイド、あるいはフルHD 3Dなどになれば、さらに臨場感は高まるだろう。しかも撮影ノウハウが蓄積されていったら、ますます高品位で没入感の高い作品が増えることになる。

3Dコンテンツとして真っ先に挙がるのは映画だが、これは映画館でも3D視聴が可能なので、3Dテレビ購入に追加投資することをためらう人もいるだろう。

これに対してアダルトソフトは基本的に家庭での使用がメインであり、自宅外ではなかなか見られないため、3Dテレビとの相性は良いと言える。

アダルトソフトは、3Dテレビ普及のキラーコンテンツになる可能性を持っている。

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