Arper、自然に還元できる新素材を採用したチェアシリーズ「Catifa Carta」
イタリアの家具ブランドArper(アルペール)の国内事業を担当するArper Japanは、廃棄木材を原料とする新素材を採用したチェアシリーズ “Catifa Carta(カティファ カルタ)” の国内販売を2025年7月から開始している。
本稿では東京ショールームを訪問して、マーケティングマネージャーの新井眞由子氏に伺ったArperのブランドコンセプトや、新製品であるCatifa Cartaシリーズの詳細をお届けする。
“なにかのための家具”を理念とするイタリアンブランド「Arper」
Arperは1989年にイタリア・トレヴィーゾにて創立され、シーティング(チェアやソファなど)をメインに展開する家具ブランド。世界中に拠点を設けており、国内のショールームは東京・青山に所在している。
ブランド名はイタリア語で「家具」を意味する「arredamento」と「〜のために」を意味する「per」をかけあわせた造語で、「なにかのための家具」というような意味。
たとえば「空間のための家具」「人のための家具」のように、あくまで主役はほかにあり、そのために家具がある、といったコンセプトのもと、開発と展開を続けている。Arperの家具はシンプルな線だけで構成されたミニマルさを特徴としており、これは前述したブランドコンセプトに則ったものだという。
ブランドの大きな特徴は、“環境に配慮したものづくり” を行なっていること。2005年にはSDGsの採択に先駆けて社内に環境部門を立ち上げ、今日にいたるまで各種認証も取得している。国内では主要企業のオフィスや図書館、カーディーラーのショールームなど、公共性の高い施設で採用されることが多いのだそう。
そして環境に配慮したアイテムでありながら、曲線のフォルムと座り心地のよさで支持を受け、Arperのアイコンとなっているのがチェアシリーズ “Catifa”。新製品のCatifa Cartaは同シリーズへと新たにラインナップされる。
木から生まれ木に還る、循環型チェアが新登場
Catifa Cartaは、廃棄木材から生まれた複合材を化学接着剤や塗料を使わず、100%生物由来のヘミセルロースを浸透させて、座面のかたちへと圧着成型した「ペーパーシェル」を採用したチェアシリーズ。
ペーパーシェルは寿命を迎えた後に、適切な熱処理を施すことでバイオ炭に変えることができ、微生物の活性化を促し木々の成長を支える土壌改良材として再利用が可能。“木から生まれ木に還る”、循環をコンセプトにしたシリーズである。
新井氏はCatifa Cartaについて、家具は空間のためにあるというArperのデザインコンセプトや環境配慮という取り組みに対して「大きな星となるアイテム」として紹介してくれた。
Catifa Cartaの循環イメージも展示されていた。写真左から原料となる廃棄木材、ペーパーシェルに採用された新素材、利用後のバイオ炭ラインナップは「スレッド」「トレッスル」「4つ脚」「トレッスルキャスター」の4つの脚タイプを揃え、ダイニングからオフィスシーンまで幅広く対応。脚はスチールなどの素材も採用しているが、すべてねじ止めで構成されているため、パーツごとに解体することができる。これによって、鉄は鉄、木は木、ゴムはゴム、といったように、素材で分解廃棄が可能になっている。
空間を引き立たせる “名脇役” アイテムが揃う
Catifa Cartaの発売に合わせて、東京ショールームはリスタイリングされている。リビングオーディオ/シアターで参考になりそうなセッティングや、庭やテラスで音楽を楽しむのにうってつけなアウトドアシーンのコーディネートも体験することができたので、写真とともに紹介していく。
また、シェルや内部部品に再生プラスチックが採用されていたり、再利用またはリサイクルが可能な素材を用いたりと、どのアイテムも環境には配慮した特徴をそれぞれ備えている。


家具を見て触れて体験するだけでなく、空間との自然な関わりもぜひ実際に確かめてみてほしい。ショールームは予約制、ほか8月からアクタスの実店舗でも一部アイテムの取り扱いを開始している。
お問い合わせ先

Arper東京ショールーム(事前予約制)
東京都港区北青山2-7-22 H・T・神宮外苑ビル 8F
TEL:03-5775-0008
MAIL:E-mail:arperjapan@arper.com



