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10万円を超える高級価格帯が充実

<ヘッドフォン祭>ヤマハのハイエンドヘッドホン3兄弟をゆったり聴き比べ/中国ブランドの最新イヤホンが続々登場

公開日 2026/11/08 18:37 編集部:成藤正宣
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フジヤエービックが主催する、170以上のポータブルオーディオ関連ブランドが集う展示試聴イベント「秋のヘッドフォン祭 2026」が、11月7日(土)に東京駅そばのステーションコンファレンス東京にて開催された。

本稿では、ハイエンドヘッドホン3モデルを擁するヤマハや、新製品を発売したばかりのRME/ラディウス/カナルワークス、ナイコム/フォーリーフが取り扱う多彩なイヤホンブランドの参考出展などの模様をお伝えする。

ヤマハ

フラグシップの開放型平面磁界ヘッドホン「YH-5000SE」(約55万円)と、チューニングが異なる弟モデル「YH-4000」(約42.7万円)、密閉型ダイナミックヘッドホン「YH-C3000」(約31万円)という、同社のハイエンドヘッドホン3兄弟を並べて用意。これまで同社が大規模イベントで行う試聴は整理券方式が多かったが、今回は座席が空いていれば、いつでも3機種を比較しながら試聴することができた。

「YH-5000SE」「YH-4000」「YH-C3000」のヤマハ製ハイエンドヘッドホン3機種がそろい踏み

ブーススタッフから来場者の反応について伺うと、3機種のなかでは比較的発売から日の浅いYH-C3000への注目度が高めの様子。3機種のなかで唯一の密閉型、かつ50mmダイナミックドライバーを搭載するモデルであり、ほかの2機種とは音の傾向も着け心地も違うことから、優先して試聴したい方が多いようだ。ヤマハの楽器と同じように仕上げられた木製ハウジングの質感もポイントとなっている。

またブーススタッフは、今回のようなフリー試聴の機会に、ヘッドホンアンプ「HA-L7A」(約44万円)の「サウンドフィールド」機能もぜひ試してもらいたいと述べる。サウンドフィールド機能はヤマハがAVアンプなどで長年培ってきた音場創生技術を活かしたもので、野外ライブやコンサートホールの響きを再現したり、ゲームや映画の迫力、臨場感を増幅させる、音質にもこだわった本格的なサラウンド機能となる。

大型電源トランスが特徴的なヘッドホンアンプ「HA-L7A」
HA-L7Aは純粋な音楽鑑賞は当然のこと、AVアンプ/サウンドバーで培った「サウンドフィールド」機能によりゲームや映像コンテンツの臨場感も増幅させて楽しめる

 

ナイコム

Linsoulブランドから、6ドライバー/トライブリッドイヤホン「Avant」を初出展。Linsoulは中国を拠点に活動するオーディオショップだが、長年製品の取り扱いや製品企画を通じて培ってきたノウハウを活かし、この度自社オリジナルイヤホンとして開発したのが本製品だという。

Linsoul初のイヤホン「Avant」

10mmダイナミックドライバー2基と、中域用にカスタムしたBAドライバー2基、高域用のKnowles社製BAドライバー1基、そしてMEMSドライバー1基という意欲的なドライバー構成で、日本で取り扱いが決定した場合は6万円台で販売見込みとのこと。

既存の取り扱いブランドでは、ZiiGaatから低域重点イヤホン「Thunder」を参考出展。10mm DLCダイナミックドライバーがサブウーファーのような迫力を生み出すとのことで、国内価格は2万円程度を見込む。

ZiiGaaT「Thunder」

Kiwi Earsでは、ブランドを象徴するチューニングを施したイヤホン「KE4」の後継モデル、「KE4 II」が参考出展。ドライバー構成をダイナミック×2/BA×2から、ダイナミック×1/BA×2/平面磁界×1に更新し、より洗練されたサウンドを目指しているという。価格は3万円前後となる予定だ。

ドライバー構成を刷新しつつ、Kiwi Earsのシグネチャーサウンドを表現したという「KE4 II」
Kiwi Earsでは、10月発売モデル「Ember」(約2.3万円)が売れ行き好調とのこと。国内のオーディオレビュアーふぐみかん氏が開発に携わったという“身近さ”も人気の秘訣かもしれない

 

RME/Austrian Audio

ジェネレックジャパンのRMEブースでは、AD/DAコンバーター“ADI-2シリーズ”からこの10月に登場した新モデル「ADI-2 Pro EX」(約35.2万円)が展示のメイン。既存モデルの「ADI-2 Pro FS R Black Edition」をベースに、放熱性を高めた新しいボディを採用。ヘッドホン出力や保護回路の強化も施し、音楽制作などプロ向け用途から音楽鑑賞用途まで幅広く活躍するコンバーターとして磨きをかけている。

「ADI-2 Pro EX」

隣のAustrian Audioブースでは、ブランド独自のダイナミックドライバー「Hi-Xドライバー」を搭載した、ハイエンド開放型ヘッドホンの「The Composer」(約41.8万円)と「The Arranger」(約18.7万円)、アナログヘッドホンアンプ「Full Score One」(約26.7万円)を中心に展示。

「The Arranger」(写真手前)、「Full Score One」(写真中央)、「The Composer」(写真奥)

49mmのHi-Xドライバーを搭載するThe Composerは没入感の深さからリスニング向けに、44mm Hi-Xドライバーを搭載するThe Arrengerはダイレクトな音調から音楽制作向けに、それぞれ引き合いがあるそうだ。

ラディウス

肌に吸い付くような滑らかさが特徴のLSR(液状シリコンゴム)素材を採用する完全ワイヤレスイヤホン用イヤーピース「ディープマウントイヤーピースZONE for TWS」に、新色スモーキーブラックが追加。会場ではその色味を、既存カラーと並べて実際に見ることができた。

完全ワイヤレスイヤホン向けに背の低い形状を採用する「ディープマウントイヤーピースZONE for TWS」。既存色クリアと新色スモーキーブラックが並んだ

スマホにさっと繋いですぐに使える、アクティブノイズキャンセリング(ANC)搭載のUSB Type-Cイヤホン「HP-NE40C」も参考出展。7月に発売した「HP-NE30C」(5,500円)の上位モデルで、ANCがハイブリッド方式に強化されていることが特徴だ。まもなく正式発表の見込みだという。 

7月発売のANC搭載USB Type-Cイヤホン「HP-NE30C」(左)と、まもなく発売という上位モデル「HP-NE40C」(右)。上位モデルはノイズ除去精度の高いハイブリッド式ANCに強化されている
猫愛にあふれる完全ワイヤレスイヤホン「NEKO」。今年6月に、ケースがふわふわの“フロッキー”タイプがラインナップに加わった(写真左)。まっくろ/まっしろの2タイプで、価格は約1.2万円

 

カナルワークス

イベント同日から販売を開始した、イヤーモニター(IEM)の新スタンダードモデル「CW-L03」(約8.3万円)/「CW-U03」(約5.6万円)を初出展。L03がユーザーの耳型からオーダーメイドするカスタムIEM、U03がイヤーピースで身に着けられるお手軽なユニバーサルIEMとなっており、ベースとなる音響設計は共通だ。

「CW-U03」。カスタムIEMタイプの試聴機も兼ねる

全帯域を1基のBAドライバーが受け持つシングルドライバー構成で、同じ構成の既存モデルからBAドライバーを刷新。あわせてチューニングも変更し、低域の豊かさや中高域の明瞭さをよりよく改良しているという。

CW-U03では、付属ケーブルのグレードを上げた特別仕様モデル「CW-U03EX」(約9.7万円)もラインナップ。ケーブルは4.4mmバランスプラグを備えた、6N純銀導体の8芯仕様。通常のケーブルよりも導体の抵抗値が低いため、中低域の厚みや音の粒立ちといった質感がより感じ取りやすいとのこと。

音色の方向性は、16基のBAドライバーを搭載する最上位モデル「CW-L97TQ」(約29.7万円)/「CW-U97TQ」(約26.9万円)と近いそうで、ブランドのコンセプトを色濃く感じ取れるモデルとも言えそうだ。

CW-U03の特別仕様「CW-U03EX」。BAドライバーのポテンシャルをより引き出す、グレードの高いケーブルが付属する

 

DVAS

埼玉県を拠点とするオーディオブランドDVAS。今回のヘッドフォン祭会場では、今年5月に発売したフルバランス完全差動ヘッドホンアンプ「Model5」(132万円)をはじめとする同社アンプを、finalのフラグシップ密閉型ヘッドホン「DX10000 CL」や、CAMERTONの「Binom-ER」といった100万円クラスの高級ヘッドホンで体験できるシステムをセッティングした。

finalの118万円の密閉型ヘッドホン「DX10000 CL」ほか高級モデルを用意し、同社のアンプの実力を披露。写真下段のアンプが「Model5」。上段はHolo AudioブランドのDAC「CYAN 2」

また同社の製品ではないが、ECサイトを中心に展開されているというHolo AudioブランドのDACも試聴システムに採用。実店舗ではほとんど目にすることのない珍しい製品との組み合わせも目玉となっていた。

nwm

NTTソノリティのnwmブランドでは、“音を閉じ込める” PSZ技術を活かした耳をふさがない完全ワイヤレスイヤホン「nwm DOTS」(約2.4万円)や、Bluetoothヘッドホン「nwm ONE」(約4万円)を展示。特に、昨年追加されたnwm ONEのカラーバリエーション「ファントムグレイ」は半透明の見た目がインパクト大で、会場でも通りかかった方の目に止まり、そのまま製品試聴に繋がることが多いそうだ。

オープンイヤー型ヘッドホン「nwm ONE」のファントムグレイカラー。見た目のインパクトは抜群で、実際に通りかかるユーザーの目線も吸い寄せるという 

おなじPSZ技術を活かした集音器の「cocoe Ear」(約4万円)も同ブースで体験展示を行い、オーディオと音の聴こえのサポート、両面から製品をアピールしていた。

“音を閉じ込める”独自技術を活かした集音器「cocoe Ear」

 

フォーリーフ

NICEHCK(ナイスエイチシーケー)、ARTPICAL(アートピカル)、TANCHIJIM(タンジジム)といった既存取り扱いブランドの最新ラインナップに加え、新規取り扱い予定のイヤホンブランド LOOB AUDIO(ローブ・オーディオ)からイヤホン「Grace」(予価:約1.6万円)と「Cascade」(予価:約1.2万円)を参考出展。

新規取り扱いブランドLOOB AUDIOから発売予定の「Grace」

どちらもPU素材とバイオセラミック素材の複合振動板を備えたデュアルキャビティ・ダイナミックドライバーを搭載するモデルで、違いはチューニング。Graceはクッキリ、Cascadeはバランス重視になっているそうだ。

LOOB AUDIO「Cascade」。Graceとはデザインもチューニングも最小限の違いで個性を出している

3Dプリントによる立体的で美しい造形のイヤホンを取り揃えるARTPICALからは、約31万円のハイエンドモデルとして登場予定の「SATAN」が参考出展。「Raphael」「MICHAEL」「LUCIFER」に続く厳かなデザインの本モデルは、ダイナミック×2/BA×4/マイクロプラナー(小型平面磁界)×4の10ドライバー/トライブリッド構成で広帯域をカバーする設計となっている。

「SATAN」の名を冠するARTPICALのハイエンドモデル 

NICEHCKからは、シーラスロジックのCS43198 DACチップとSG Microのオペアンプ「SGM8262」を搭載し、最大235mW(@16Ω)の出力を発揮するスティック型DAC/アンプ「Pure Aural」(予価:約1.2万円)が参考出展。四角いボディの側面にはボタンを備え、音質モードの切り替えができる模様だ。

「Pure Aural」

TANCHJIMでは、ゲーミングに特化したチューニングやマイク、DSP内蔵USBケーブルを装備する「BUNNY for Gaming」(予価:約5,000円)や、年内に10万円を切る程度の価格で発売を見込む、ダイナミック×1/BA×6/パッシブユニット×1の上級モデル「MIST」などを先行して試聴することができた。

TANCHJIM「MIST」

 

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