パナソニックEW、照明を中心とした電気設備で実現する五感に響く未来のWell-Beingなワークプレイスを提案
パナソニック エレクトリックワークス(株)は、2026年6月2日から東京ビッグサイトで開催されている日本最大級のオフィス家具・ワークプレイス展示会「オルガテック東京2026」への初出展に併せて、「照明を中心とした電気設備で実現する“未来のWell-Beingなワークプレイス” 説明会」を開催。今後の事業展開と同展示会の提案内容について説明を行った。
同社ライティング事業部 ライフスタイルライティングビジネスユニット ビジネスユニット長・山中 直氏が、今回新たに打ち出した「Well-Being Lighting」が働く環境をどう進化させていくかについて、ソリューションエンジニアリング本部 Well-Being事業開発室 室長・原 尚史氏がWell-Being事業の全体像について、それぞれ説明した。
「Well-Being Lighting」で働く環境を進化
同社は、パナソニック ホールディングス(株)の組織再編による新たなグループ体制への移行により、2026年4月1日に新たなスタートを切った。「いい今日といい未来を電気設備から」をパーパスに掲げ、照明・電気設備などの開発/製造/販売を手掛け、生活ニーズに対応したソリューションを提供する。
山中氏は今回のWell-Beingなワークプレイスへの取り組みについて、「日本のワークプレイスは時代と共に変化し、近年はABW(Activity Based Working)という考えのもと、仕事内容や目的に合わせて働く場所を選ぶスタイルが広まってきている。在宅勤務も一般的になりワークプレイスの役割も変化してきており、改めて考える局面に立っている」とその背景を説明した。

ワークプレイスについてはグローバル調査からも、現在は執務や打合せの空間にとどまっているが、「自然とのつながりや創造力を高める空間が求められている。そこから見えてきた答えが、ワークプレイスのWell-Being化だ。“働く場所”から“人が生き生きする空間”へと変わっていくことが不可欠」と指摘した。
それでは、Well-Beingなワークプレイスができると、いままでとはどう変わるのか。同社調査によると、働く意欲は3.3倍に、組織へのロイヤリティは4.6倍に高められるという結果が出ており、「Well-Beingなワークプレイスこそが、これからの会社が選ばれる時代において、人材の獲得・定着に必須条件になる」と訴える。

こうしたワークプレイスの変化に対応し、同社の提案手法も進化。「光」を “照らすもの” から、“働く人のコンディションを整えるもの” へと進化させていくことが必要であるとし、「Well-Being Lighting」〜人が心地よく働ける空間をつくる光〜という考え方を新たに打ち出した。
そこで掲げる3つのコンセプトは、「働く環境・シーンに応じた光」(活動しやすさ)、「自然の心地よさを再現する光」(健やかさ)、「光を中心に五感に響く空間をつくる」(柔軟さ)。「オルガテック東京2026」同社ブースでは、Well-Being Lightingの考え方を元に、音や香りも組み合わせたオフィス空間の1日(朝・昼・夕)を提案する。

そこで目指した空間イメージは、朝「森の木漏れ日」、昼「小川のせせらぎ」、夕方「野原の薄紅の空」。
オフィスに着いてテキパキとタスクをこなしたい「朝」は、空間全体を均一に明るくする照らし方とさわやかな光色が、開放的で生産性が高まる空間を創り出す。さらに、森の木漏れ日を感じる光の演出、鳥のさえずり、ヒノキの香り、そよ風で包み込み、ワーカーの最高の一日をサポートする。
アイデアがいき詰まったときのマグネットスペースを目指した「昼」は、少しメリハリのある照らし方とほんのりあたたかな光色が話しやすい雰囲気を創り出す。さらに、水辺を感じさせる光の演出、小川のせせらぎを感じるサウンド、そよ風で川辺をイメージさせ、チームメンバーとのコミュニケーションをサポートする。

「夕方」は一息つきながら頭と心を整えられる、落ち着きあるリラックス空間。明るさを適切に抑え、メリハリのある照らし方と温かみのある光色でワークへの没入を促す。さらに夕空と雲の流れを感じる光の演出、虫の音のサウンド、そよ風で明日に向けて頭を整理する時間をサポートする。

光の演出には、マイクロLEDを搭載した照明器具「DOT.LIGHT」を使用。約16,000のLEDを1つずつ調光・制御することで、“自然観”を演出することを可能にした。
また、Well-Beingな空間の価値は、従来の二次元の照度分布図では伝わらないため、高精度のビジュアルソフト「Lightning flow(ライトニングフロー)」を新たに開発。光の価値をリアルに体感できる仕組みを整え、納得性のある照明空間の提案を可能にしている。空間設計者が使用するBIMや3Dソフトとも連携し、圧倒的なスピードでリアルなシミュレーションを行うことができる
山中氏はパナソニックならではの強みとして、「90年の歴史を持つ明かり事業の技術と信頼」「Well-Beingなコンサルティング」「総合電機設備メーカーだからできる光プラスアルファでの五感に響くWell-Beingな空間づくりのサポート」を挙げた。

「『Well-Being Lighting』の打ち出しにより、Well-Beingなワークプレイスづくりにおける一気通貫でのサポートをより強固なものにする。光はすべての空間に存在し、人の心を整える力を持っている。その光を中心にして音・空気・香りといった五感の力を組み合わせることで、コンサルティングから提案、空間構築、そして、運用・改善まで、一つの流れで価値を届けていく」。

コンサルティングを起点としたWell-Being Lightingにより、現在60億円の事業規模を、2030年には100億円へと拡大。「Well-Beingという言葉が広く使われ、WELL認証制度も整っているが、そのなかでも光が人にどのような効果をもたらし、どう設計すべきかはまだ十分に言語化されていない。Well-Being Lightingを通じて、このニーズを具体的な価値として顕在化させ、Well-Beingのことならパナソニックへと思っていただけるような存在になることを目指していく」と力を込めた。
人的資本経営シフトへ不可欠となるWell-Beingなオフィス環境
続いて、Well-Being事業の全体像について説明した原氏は冒頭、「皆さんのオフィスはWell-Beingな空間ですか?」と問いかけた。答えに窮するのは、「Well-Being」が非常に概念的で曖昧であり、客観的に判断するのが難しいからだとした。

なぜいまWell-Beingなのか。背景にあるのは日本の深刻な労働力不足だと指摘する。2030年には340万人、2040年には1100万人の労働力が不足(リクルートワークス研究所調べ)。「そこで重要になるのが人的資本経営へのシフト。人をコストではなく、成長のエンジンへの価値“人的資本”とした経営へシフトしていくことが企業に課せられた課題となる。その対処として注目されているのが、オフィスにおけるWell-Beingだ」

有能な人材がなかなか獲得できない。獲得できても辞めてしまう。エンゲージメント、生産性、定着率をどのように高めていくのか。「Well-Beingなオフィス環境が、こうした経営課題に対して一定の効果があるという実証結果が出ている。経営課題に直結する重要なテーマ」とWell-Beingへ注目が高まる理由を説明した。
同社のWell-Being事業は、「WELL認証」の考え方に基づき、コンサルティングから空間構築、運用後の改善まで、Well-Beingなオフィス空間づくりを一気通貫でサポートする。コンサルティングにおいては、空間認証のWELL認証コンサルティングサービスと空間実装のWellオフィスコンサルの2つの軸を構える。

WELL認証とは、2014年に米国で開発された国際的な健康空間の基準で、定量的・客観的に科学的な試験に基づいて評価が行われる。光・音・空気など10の要素を100以上の項目で確認・点数化。プロンズ・シルバー・ゴールド・プラチナの4段階でランク付けされる。
世界におけるWELL認証の取得は2026年5月末時点で42,684件。米国26,663件、インド1,345件、日本は380件となっている。登録件数は年々大きく増加し、一つのグローバルトレンドとなっており、WELL認証を取得したオフィスでは未取得のオフィスに対し、エンゲージメントが8ポイント高いことが確認されているという。
同社のWELL認証コンサルティングでは、WELL認証に関する専門知識を待つ技術者資格「WELL-AP」33名、現地環境測定の専門調査員「WELL-PTA」18名が在籍し、高い専門性を備えたコンサルティング体制を誇る。国際認証機関IWBIより「アジア最優秀賞」を受賞するなど、WELL認証取得を支援する取り組みが国際的に高く評価されている。
一方、空間実装のWellオフィスコンサルでは、WELL認証コンサルティングでの知見に加え、「現状把握・課題抽出」「コンサルティング」「提案(ゾーニング、3Dレイアウト)」「空間構築」「運用・改善」と一気通貫による五感に響く空間構築力を強みに、Well-Beingなオフィス空間を実現する。
Well-Beingなオフィス事例として、「パナソニック東京汐留ビル PERCH LOUNGE」では、照明による効果的な空間演出に加え、さまざまな電気設備を組み合わせたWell-Beingな空間を実現。
2020年12月にパナソニック東京汐留ビルに開設した、「働くを実験する」をテーマとしたライブオフィス「worXlab」(ワークスラボ)では、Well-Beingを体験する場としてお客様との会話を通じてニーズや課題を把握し、解決方法を検討する。2025年9月に来場者が1万名を突破した。

原氏は「長年、快適を科学してきたパナソニックが、『快適の、その先へ!』としてWell-Beingに挑んでいく。今後のパナソニック エレクトリックワークスのWell-Being Lighting、Well-Being事業に是非ご期待いただきたい」と説明を締めくくった。
なお、「オルガテック東京2026」ではパナソニック(株)も個別に出展。「Noiseless Design, Seamless Communication」をコンセプトに、空間そのものがコミュニケーションをサポートするオフィスAVソリューションを提案する。空間に調和するシーリングアレイマイクロホンとリモートカメラとの連携により、音と映像が自然につながり、人と人との距離を感じさせないコミュニケーション環境を実現する。

