<CES>テレビ用QD-OLEDがまた進化。焼き付きも改良したサムスンディスプレイ
ラスベガスにて開催されていたCESにて、サムスンディスプレイはメインのコンベンションセンターとは別に、アンコールホテルのスイートルームにてプライベートブースを用意。さらなる高輝度化と視認性向上を実現した有機ELディスプレイの最新技術を披露した。
効率改善や回路の再設計で有機ELがさらに進化
サムスンディスプレイのテレビ用QD-OLEDがまた進化した。ピーク輝度はQD-OLEDパネル製品のスタンダード、ミドルが25年モデルで2000nits、26年が3000nitsに、フラグシップモデルが4000→4500nitsと高度化した。
「EL材料の効率改善、アルゴリズムおよび回路設計の最適化を通じて製品の効率を上げ、さらなる高輝度化に成功しました。素材や基本構造は変えていませんが、それらの使い方が上手くなり、さらに焼き付き対応も改良しました」(担当技術者)
モニター用のQD-OLEDでは、サブピクセル配置が従来の三角形デルタから、垂直方向のVストライプに変更されたのが、最大の話題だ。これは文字の視認性を上げるための方策で、IT関係側から、より明瞭に文字を見せたいと従来から要請されていた。
RGBストライプ構造は、RGB3つのサブピクセルを直線上に配置することで、色のにじみや偽色の縁取りなどを低減させる。技術的にはかなりたいへんな改良作業だったという。
「デルタ配置ではサブピクセルの間の距離が開いているので、インクジェット印刷は可能でしたが、今回のストライプはそこが狭いので、よりフォーカスを絞り、精細に印刷するのがたいへん難しかったです。でも今では、完全に軌道に乗って量産できています」(担当技術者)とのことだ。
私が特に注目したのが、大型有機ELディスプレイでは世界初のAODだ。Always On Display……つまり常時表示ディスプレイである。AODはこれまでもっぱら、スリープ状態でも情報を表示し続ける機能として、スマートフォンやスマートウォッチのものだった。それをサムスンディスプレイは65インチの有機EL大画面で実現したのである。
大画面AODには3つの条件が必要だ。
(1)酸化鉄基板の超低フレームレート駆動技術(1Hz以下)
(2)自動的に書き換えレートを調整するセルフリフレッシュ機能
(3)焼き付き対策
この3つを揃えて、大画面のQD-OLED・Always On Displayの開発に成功した。
デモンストレーションでは、スポーツジムでのアプリケーションを見せていた。つまりランニングマシンで走りながら、ディスプレイを見るといったケースだ。
今年もサムスンディスプレイは面白くなりそうだ。



