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数値より情緒の再現をコアにチューニング

LUXURY&PRECISION、据置向け設計の高電圧PCM1792Aをデュアルで搭載した「E7シリーズ」交換用 DACモジュール

公開日 2025/11/01 00:00 編集部:原田郁未
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LUXURY&PRECISION(楽彼)は、同社DAP「E7」シリーズ向けの交換用DACモジュール「PCM1792A DACカード E7専用」を11月1日(土)に発売する。価格はオープンだが、税込み126,500円前後での実売が予想される。E7 4497 PREMIUM/STANDARD両モデルで利用が可能。最新ファームウェアへの更新が必要となる。  

「PCM1792A DACカード E7専用」

Texas Instruments製「PCM1792A」を左右独立構成で2基搭載したE7シリーズの交換用DACカード。PCM1792Aは滑らかで実在感のある音色から数多くの銘機に採用されてきたことで知られるが、据え置き向けの高電圧駆動設計をポータブル機器で真価を発揮させるために、LE OSの緻密な制御と数値に偏重しない非対称電源設計を実現することで、ポータブル機でも性能を引き出すことができるという。

出力電圧の最適化ではなく、信号経路上の負荷バランスとトランジスタのバイアス点を意図的に調整。非線形成分を活用して倍音の構成と過渡特性を整えているという。i/V段に±5.8V、出力5.2Vrmsで125dBのダイナミックレンジを得た試作機を基に電源設計を再構築し、4.7Vrmsの出力と123dBのダイナミックレンジを両立。PCM1792A特有の“柔らかい音粒”“溶け合う中高域”を実現しているとこと。

各回路の電流応答を個別に最適化するなど、トランジスタ動作点の微細なオフセットと電源インピーダンスとを精密に整合するAsymPower Controlを採用し、非対称電源の弱点である発熱や電圧降下、微小信号の損失を抑えつつ、PCM1792A本来の芯のある響きを引き出すという。

旋律のつながりや倍音の持続、空間表現など音楽としての一貫性を優先し、線形特性を極限まで抑えた設計とアナログ段の電源精度の追求することで、中高域の厚み、低域の弾力、滑らかな余韻を実現したとする。125dBから123dBへの変化は、スペック上の減少ではなく、聴感上の最適解への意図的な調整と説明している。

ほかにも、2基のPCM1792Aの全出力チャンネルをフル活用し、I/V変換、LPF、音量制御、バッファアンプなど全回路がフル稼働する設計になっている。3.5mm端子でも情報量・定位・ダイナミクスに妥協のない再生を実現したという。

また、「P6Pro 10th Limited」で得た知見を基にしたEA4専用のラインアウト回路を搭載。通常のラインアウトとの切り替えによりE7とE4Aのマッチングを最適化し、音の厚み・繊細さ・音像表現を高次元で両立する。

EA4アンプとの最適化を図った専用ラインアウト回路も採用

E7装着時の仕様は、3.5mmシングルエンド出力時のS/N比(A-weighted)は123dB、ダイナミックレンジは123dB、THD+Nは0.0001%(24bit/96kHz)、周波数特性は20Hz〜20kHz(±0.2dB)、クロストークは75dB、出力レベルは最大2.35Vrms(実効値)/1.15Vrms(標準時)、出力インピーダンスは1.4Ω。

4.4mmバランス出力時のS/N比(A-weighted)は120dB、ダイナミックレンジは120dB、THD+Nは0.0003%(24bit/96kHz)、周波数特性は20Hz〜20kHz(±0.2dB)、クロストークは113dB、出力レベルは最大4.7Vrms(実効値)/2.35Vrms(標準時)、出力インピーダンスは2.8Ω。付属品としてネジ、専用ドライバー、クリーニングシートを同梱する。

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