ベンキュー、4K短焦点プロジェクター「TK705STi/705i」体験会。短焦点/高輝度/高解像度を実演
ベンキュージャパンは、2025年10月17日にリリースしたGoogle TV搭載の4K短焦点プロジェクター「TK705STi」、4Kプロジェクター「TK705i」の新製品に触れることができるメディア向け体験会を実施した。本稿ではそのもようをお届けする。
TK705STi/TK705iは、DLPデバイス、LED光源を採用したモデルで、4K解像度(3,840×2,160)、3,000ルーメン(ANSI)をカバーした高輝度も特長のひとつ。“小空間でも、4K大美画面” をコンセプトに掲げたプロジェクターだ。
コンセプトの謳い文句とおり、短焦点モデル TK705STiの投写比は0.8、約1.8mで100型、約2.1mで120型、約2.7mで150型の画面サイズを投写できる設計となっていることが大きな特長だ。
TK705iは1.3倍光学ズームとデジタルズーム、映像位置変更機能を装備することで設置性を高めている。投写比は1.0 – 1.3で、約2.2 – 2.9mで100型、2.7 – 3.5mで120型、約3.3 – 4.3mで150型の投写を可能としている。
短焦点プロジェクターを開発する経緯について担当者は、「近年、首都圏を中心に住宅価格は上昇を続け、新築マンションの専有面積は年々縮小している。従来のプロジェクターは広いリビングなどでの使用を前提としていたため、都市型住宅ではプロジェクターの導入が難しいという課題があった。そこで、ベンキューは都市型の住宅でも導入できるように短焦点プロジェクターの開発を続けている」と近年の住宅事情の変化を指摘する。
会場では、TK705STiを中心にして、リビングシーンを想定した展示を披露した。平均的なリビングルームの16畳程度はもちろん、10 – 12畳ほどの比較的に狭小なリビングルームにおいても大画面を楽しめることが確認できた。


多彩な高画質技術を備えていることも特長だ。「Cinematic Color」技術を搭載することで、Rec.709の色域規格に準拠した、忠実度の高い色再現性を備えている。併せて「HDR-PRO」技術によってローカルコントラストエンハンサー/グローバルコントラストエンハンサーの機能を効果的に活用することができるため、深みのある明暗表現と立体感を実現している。
会場では、他社モデルとの比較を行っていたが、比較的に価格の近い4KプロジェクターとTK705STiを横並びで視聴してみると、4Kによる解像感の高さをはじめ、3,000ルーメン(ANSI)による明るくパワフルで、色再現も濃厚、コントラストの高さも備わった映像再現を実現。ベンキューブランドならではの高画質さをアピールしていた。HDRフォーマットは、HDR10+/HDR10/HLGをサポート。
設置性を高める機能では、オートフォーカス/自動縦横台形補正/自動シネマモード/自動スクリーンフィット/自動障害物回避/オートアイプロテクションといった6つのオート機能を備えている。また、筐体の天面部に調整式フットが付いており、逆さ設置も可能。天吊り用の穴と設置脚も一体化させている。
優れた設置性をアピールするデモでは、TK705iを使用。ダイニングをイメージしたシーンで、キッチンカウンターに置いて、壁に斜めに向けて投写したが、オートフォーカスをはじめ、自動台形補正といった機能が、再生中の画面を止めることなくスムーズに効いており、自然に最適な投写画面となっていた。
オプションで販売されているデスクトップスタンド「ST30」も組み合わせていたが、左右上下だけでなく、斜めの角度にも向けることができるスタンドとなっており、TK705STi/TK705iの設置性をさらに向上させてくれるアイテムとなっている。
TK705STi/TK705iは、Google TV内蔵のため、YouTube/Prime Video/NetflixといったVODサービスがプリセットの状態から楽しめるだけでなく、音声コントロールのGoogle Assistant、スマートフォン/タブレットの映像を映せるGoogle Cast、スマートフォンアプリ「BenQ Projector」での操作に対応する。
ゲーミング性能も向上させており、自動低遅延のALLM、4K/60Hz・2K/60Hz・1080p/60Hzの入力において5msの応答速度にも対応している。会場では、Nintendo Switchを組み合わせてゲームプレイを楽しめるようになっていたが、ゲーム画面の動きにカクツキや滲みがなく表示できていた。
背面端子にはHDMIを2基、USB Type-Cを1基、USB Type-Aを1基、ステレオミニ出力を1基搭載。HDMI端子はeARCにも対応しているため、同じくeARC対応のサウンドバーなどと組み合わせることで、HDMIケーブル1本のみでプロジェクターと音響機器を接続できる。また、立体音響フォーマットのDolby Atmosにもフォローしているため、サウンド面においても没入感のある音が楽しめる。


同社は、壁だけでなく天井にも映像を投写しやすいモバイルプロジェクター「GV50」もラインナップしているが、体験会では11月に発売を予定している新カラーにブラックを採用した「GV50P」も展示されていた。価格はオープンだが、税込みの市場想定価格は124,200円前後(暫定)としている。
GV50Pは「ブラックカラーも欲しい」というユーザーの声から誕生したモデルとのこと。実機を見てみると、カジュアルなイメージを与える筐体デザインながら、マットな質感、かつ深みのあるブラック感とボタン周りのパーツも質感よく、高級感あるデザインとなっている。専用キャリーバックもセットで販売を予定しており、ポータブル性も高めている。



