【ポタフェス】CROSSZONE、頭外定位ヘッドホンのエントリー機を初お披露目/iBasso旗艦DAPの交換用アンプカードを最新の「AMP17」と聴き比べ
イヤホン・ヘッドホン専門店のe☆イヤホンが主催するポータブルオーディオ展示試聴イベント「ポタフェス 2025夏 秋葉原」が、東京・ベルサール秋葉原にて7月12日(土)、13日(日)に開催されている。本稿では、会場2F トライオード/MUSIN/FOSTEX/完実電気/JLAB Japan/スカルキャンディー/伊藤屋国際/Hapbeatのブースレポートをお届けする。
CROSSZONEヘッドホンに10万以下のエントリーモデルが登場!
トライオードブースでは、CROSSZONE(クロスゾーン)が展開する頭外定位ヘッドホンを、TRIODEの真空管プリメインアンプ「TRV-88XR」、CDプレーヤー「TRV-CD6SE」と組み合わせて試聴できる。
低域強化チューニングを施した海外仕様モデル「CZ-8A Enhanced」「CZ-10 Enahanced」をそれぞれのオリジナルモデルである「CZ-8A」「CZ-10」と聴き比べできるのに加えて、2025年内の発売を目指しているという「CZ-12」(仮称)も参考出展。
CZ-12は、大小3つのドライバーユニットの構成やベリリウムコーティング振動版の採用、独自の技術を用いたドライバー配置などはそのまま踏襲しつつ、より手に取りやすい税込10万円以下の価格レンジを想定しているモデル。独自機構が採用されていたヘッドバンドを一般的なデザインに簡略化することにより、音質や再生性能への影響は最小限に抑えつつも低価格化を実現しているという。また、これにより生じた変化に合わせて、音質も専用のチューニングが施されているとのこと。
iBasso/TOPPING/SHANLINGなどの新製品が目白押し
MUSINはiBasso/SHANLING/ONIX/TWISTURA/TOPPING/MUSIN ORIGINALの製品を展開。iBasso/TOPPINGからは国内で初めてお披露目される開発中の新製品も参考出展されていた。
担当者がとくにお薦めとして紹介してくれたのが、iBassoのフラグシップDAP「DX340」の交換用AMPカード「AMP17」。デュアル真空管採用の「AMP16」に続く第2弾モデルで、AMP17では窒化ガリウムアンプ技術とトランジスタのハイブリッド構成を採用している。窒化ガリウムと複合してトランジスタに変化をかけることで、標準搭載である「AMP15」のノイズレスでクリアな音質をブラッシュアップし、アップテンポな要素を追加、クリアかつ迫力のある音に仕上げているという。
TOPPING「D90 Discrete」は16 Phase PSRM 1bitディスクリートDACモジュールと、6chのNFCAヘッドホンアンプを搭載し、デジタル部とアナログ部の電源供給部の分離設計を採用するUSB-DAC/ヘッドホンアンプ。同ブランドのハイエンドラインに位置付けられるモデルだという。デジタル/アナログ両方の豊富な入出力を備え、デスクトップ環境などでさまざまなオーディオ機器と接続することができる。予定価格は税込30万円前後。
ほか、SHANLINGのポータブルCDプレーヤー「EC Zero T」も専用ショルダーキャリングケースを装着した状態でディスプレイ。本体に合わせたレトロデザインに仕上げられており、カラーはオレンジとグレーベージュを揃える。着脱はマグネット式で、ディスプレイや真空管ウィンドウの視認性、さらにボリューム調整など各種コネクションやボタン周りへのアクセスは確保したままショルダースタイルで持ち運びが可能になる。
FOSTEXの新旗艦ダイナミックヘッドホン両モデルを体験
FOSTEXは、先週末に開催された「夏のヘッドフォン祭mini 2025」にも出展していた、2025年秋に発売予定のダイナミック型ヘッドホンのフラグシップモデル「TH900mk2」「TH909」の後継モデル(型番未定)を参考出展。
2016年の発売から、約10年ぶりのモデルチェンジとなる。伝統のバイオダイナ振動板、ウッドハウジングの漆塗りなど基礎的な素材は引き継ぎつつ、ドライバー設計はもちろん、部品の選定や、内部の配線や巻き方など、細かい部分まで見直しを行なって音質の向上を図っている。
担当者は「FOSTEX(フォスター電機)は国内のバイオダイナ振動板の走りともいえるブランドで、ヘッドホンの核であるドライバー製作において、ゼロベースで素材から作ることのできる、高い技術力を持っています。新モデルは音の傾向や好みに時流の要素を採り入れつつ、我々が今作りたいと考えている音を作り込んだので、ぜひご体験いただきたいです」とコメントしてくれた。
ゲーミング向けヘッドホン「T50RPmk4g」のマイク搭載モデル「T50RPmk4g+」も初お披露目。マイクは着脱式で、左右のハウジングどちらにも接続端子が備わっているため、好みに合わせた装着が可能となっている。
JLab Japan/Meze Audio/Audeze/スカルキャンディーの参考出展にも注目
JLab Japanは、秋頃の発売を予定しているワイヤレスヘッドホン「Epic Lux Lab Edition」を初お披露目。上位ライン “EPICシリーズ” 初のヘッドホンとしてフラグシップに位置付けられ、CES 2025では「Best of CES 2025」を受賞。
国内で初めてワイヤレス充電に対応するワイヤレスヘッドホンとのことで、付属の台座に本体のハウジング部分を合わせて置くだけで充電が可能。担当者によると、アクティブオーディオブランドであるJLabらしく、装着や操作の快適性、本体の耐久性にもこだわっており、長時間再生にも適しているという。
完実電気は、「ミュンヘン・ハイエンド2025」でお披露目されたばかりのMeze Audio「105 Silva」、Audeze「LCD-20」を中心に、両ブランドのヘッドホン製品を多数揃えて試聴ブースを展開。
105 Silvaは “105シリーズ” の上位モデルで、バイオセルローズ振動板を採用した径50mmダイナミックドライバーを搭載。1940 – 60年代のアメリカを中心に興ったミッドセンチュリーモダンをデザインコンセプトとし、ハウジングにはウォルナットを採用、PC-ABS樹脂製グリルを装備している。
メーカー側の意向で撮影が禁止だったため、ぜひ会場で実物を見て聴いてほしい。正式発表は7月23日(水)以降になるとのこと。発売は9月上旬を予定。
LCD-20は ホーム/スタジオレコーディングを想定した “LCDシリーズ” のエントリーモデルで、既存モデルより低価格でありながら、高い基本性能を実現するモデル。新開発のプラナードライバーを搭載するほか、静電型モデルで揮発された独自の「SLAM Technology」を初めてプラナー型に採用。低域の表現力を強化し、クリアでつながりのよい中高域の再生を確保したという。発売は8月下旬、価格は税込9万円前後を予定。
スカルキャンディーは、THXの立体音響技術「THX Spatial Audio」をサポートするノイキャン対応ワイヤレスヘッドホン「AVIATOR 900 ANC」、ボーズと開発したノイキャン完全ワイヤレスイヤホン「Method 360 ANC」など、お披露目したばかりの注目製品を中心に展示。
AVIATOR 900 ANCは、秋頃からGREEN FUNDINGにてクラウドファンディングを開始、価格は5万円以上の予定。THX Spatial Audioをサポートするのに加えて、リアルタイムのヘッドトラッキング機能にも対応しており、2つの組み合わせによって正確かつ臨場感のある空間オーディオが楽しめるとのこと。
伊藤屋国際は、SoundsGoodブランドの8周年記念イヤホン「Ehecatl」をはじめ、Agasound/EarAcoustic Audio/SoundsGoodなどのイヤホン製品を展開。
担当者に注目モデルを尋ねてみると、Agasound「Sublimation」を挙げてくれた。Agasoundは中国・深センを拠点に、おもにステージ用スピーカーの開発を手がけているオーディオブランドで、プロ向けの技術を活用したイヤホン製品も展開している。
Sublimationはセラミックコート振動板採用のダイナミックドライバーと、N52スーパーリニアデュアル磁気回路を搭載した最新モデルで、中国国内では生産が追いつかないほどの人気ぶりだという。





