HOME > ニュース > FIIO、1DD/4BA/8EST計13ドライバー搭載の新フラグシップIEM「FX17」

2023年発売IEM「FX15」の値下げも発表

FIIO、1DD/4BA/8EST計13ドライバー搭載の新フラグシップIEM「FX17」

公開日 2025/07/11 10:00 編集部:岡本雄
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

エミライは、同社取り扱いのFIIOブランドの新しいフラグシップとなるハイブリッドIEMFX17」を718日(金)より発売する。価格はオープンだが、税込269,500円前後での実売が予想される。

FIIO「FX17」

ドライバー13基ハイブリッド構成のフラグシップモデルモデル「FX17」

FX17は、FIIO18年間の音響研究が結実したというフラグシップモデル。片側あたりダイナミック型×1基、バランスドアーマチュア(BA)型×4基、静電型×8基という計13基のドライバーを搭載したハイブリッドIEMで、「最高の音質を実現する」とアピールしている。

これらのドライバーを正確に制御すべく、電子+物理のデュアルシステム5ウェイ・クロスオーバー設計を採用。これによって、小音量時でも大音量時でもバランスの取れたエネルギー配分とドライバー間のスムーズなクロスオーバーを実現するとしている。

静電型ドライバーは、高域の再生に優れる一方他種のドライバーと比べて能率が低く充分な音量を得にくいとしており、その問題を解決すべく8基を搭載。そうすることで、静電型ドライバーにおいて他のドライバーに匹敵する音圧レベルを確保したと説明する。

1DD+4BA+8ESTの13ドライバー搭載

中高音域用には、Knowles社製BAドライバー複合ユニットを2セット使用。複合ユニットは2つのパーツに分かれており、それぞれが中音域と中高音域を担当。これによって中音域の密度が向上し、静電ドライバーとのスムーズなクロスオーバーを実現するという。

さらに、優れたボーカルパフォーマンスを達成するため、FIIOKnowles社とで「中音域強化バランスド・アーマチュアユニット」を共同開発。キャビティ部分にアコースティックベントを追加することでBAドライバーのエネルギーを増幅させる仕組みになっているとのこと。その結果「歌手がまるですぐ側にいて息遣いまで伝わってくるかのような」豊かなボーカルを再生すると謳う。

10mm口径のダイナミックドライバーは、軽量かつ高剛性だというリチウムマグネシウム合金を振動板に導入。特に高速振動のある高周波信号では、高い内部減衰特性により優れた機械的特性を発揮する素材だと説明しており、共振と歪みが大幅に抑制されたクリーンなサウンドを提供するという。

Placeholder Image
BAは、Knowles社製複合ユニットとFIIOとの共同開発「中音域強化」BAの2種類搭載
Placeholder Image
10mm径リチウムマグネシウム合金ダイナミックドライバーを搭載

内部構造は、スーパーカーに見られるタービンにインスピレーションを得て新しく開発したという特許技術「S.Turbo Acoustic Structure Patent」を採用。同機構ではタービン形状の構造を通して音を導くことで低音を強化。また同時に、ダイナミックドライバーから発生する中高音域の余分な情報をフィルタリングすることで、低音域と中高音域の間のスムーズなクロスオーバーを実現したとのこと。

また筐体に設けられた0.2mm径の通気孔によって空気の流れを制御。ダイナミックドライバーのエアダンピング効果を高めているという。これにより、ダイナミックドライバーの調整幅(Q値)と振幅を向上させること、および低音域の伸びと中音域の明瞭性・透明度の強化を狙っている。

Placeholder Image
独自開発機構「S.Turbo Acoustic Structure Patent」。タービン形状の構造で音を誘導
Placeholder Image
0.2mm径の通気孔によって筐体内の空気の流れを制御

筐体の素材には、高密度・高強度のチタンを採用。一個のブロックから削り出し、一つ一つ手作業で研磨して成形。蒸着処理による光沢仕上げも相まって、ミニマルで美しいビジュアルだとしている。

筐体形状は新しく設計し、装着状態における耳からの突出部を約1mm程度に抑えることに成功したとのこと。耳介にかかる重量や圧迫感を大幅に減らしたとアピールする。

さらに、耳の内部に当たる部分も、何百回ものテストを行い最適化。耳介の複雑な空洞部分と立体的に密着するという。軽量で上質な仕上げのチタン素材とも相まって、「まるで何も着けていないかのような」装着感だと述べている。

またノズルも、ユーザーからのフィードバックとさまざまデータに基づいて設計。ノズルと装着面の間の角度をY軸に対して10°上げることで、より正確な角度で外耳道にフィットするようにしたと説明している。

筐体は、一個のブロックから削り出したチタン合金

付属のケーブルは、3608編組の金/銀/銅ハイブリッドケーブルをリッツ構造で採用。それぞれ異なる長所を持つ素材を組み合わせることで、音質の相乗効果を狙っているという。コネクターはMMCX。プラグは着脱可能で、3.5mmシングルエンド/4.4mmバランス/USB Type-Cの交換用プラグを用意する。

なお、USB Type-Cプラグには最大PCM 32bit/384kHzをサポートするDSPオーディオデコードチップを内蔵。

さらに8バンドPEQ調整もサポートしており、専用アプリ「FIIO Control APP」またはWebインターフェイスを介してEQのカスタマイズが可能となっている。

ケーブルの線材は、金/銀/銅をハイブリッド。
プラグは着脱可能で、3.5mmシングルエンド/4.4mmバランス/USB Type-Cの交換用プラグを用意

イヤーピースは、スポンジ×2種/低音×3サイズ(S/M/L)/バランス×3サイズ(S/M/L)/ボーカル×3サイズ(S/M/L)/ダブルフランジ×2種/SpinFit×3サイズ(S/M/L)/HS18×3サイズ(S/M/L)/HS20リキッドシリコン×3サイズ(S/M/L)という、計22組を付属。好みのサウンドと装着感に合わせて選ぶことができる。

周波数特性は8Hz - 40kHz、インピーダンスは16Ω、感度は104dB。質量はイヤホン片側あたり約12.2g。そのほかの付属品として、シリアルナンバーが刻印されたネームプレート、専用キャリングケース、コードクランプ、MMCXアシストツールなどを同梱する。

2023年発売IEM「FX15」の値下げも発表

またエミライは、FX17の発売に伴い、2023年発売のIEM「FX15」の価格改定を発表。より求めやすい価格で提供できるよう、これまでより約26%減の価格に値下げするという。改定時期は、2025711日(金)。

FIIO「FX15」7/11より約26%値下げ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク

トピック