米ワーナーが2006-08年に販売したDVDソフト数百万枚が再生不能との報道
米Warner Bros. が2006年から2008年にかけて製造・販売した300タイトル以上のDVDが、製造上の問題によって再生不能になったと報道されている。影響があるのは数百万枚とも言われている。同時期に販売されたHD DVDディスクも含まれるという。
この問題は当初、JoBlo.comが米現地時間3月4日に報じた。該当するディスクを再生しようとしたところ再生できず、ホームシアター関連のフォーラムを調べてみたところ、同じ状況のユーザーが多いことに気づいたというのだ。
再生できなくなるのは、DVDディスクの記録層や保護層が劣化し、データが読み取れなくなるためだ。同様の現象はレーザーディスクで問題となることが多かったため、レーザー腐敗(Laser Rot)とも呼ばれる。
DVDのデータ記録層にはアルミが使われている。これを保護する層との接着剤が劣化すると、内部に空気や湿気が入り込み、記録層が酸化し、腐食が進む。これによってデータ読み取りが困難になる。製造工程での管理が不適切である場合、このレーザー腐敗が起きやすくなる。なお、Blu-ray Disc系メディアの記録層には、アルミに比べて酸化しにくい銀合金などが使われている。
物理ディスクには当然ながら寿命があるが、適切に製造されたディスクであれば、製造から20年も経たずに読めなくなることはない。このため、多くの消費者が不満を表明している。
今回の問題の対象となるタイトルは、FlatpanelsHDがリストとしてまとめている。『2001年宇宙の旅』『ショーシャンクの空に』『ブレードランナー』『時計じかけのオレンジ』など、多くのメジャータイトルが並んでいる。
この問題が発覚してから数日後、ワーナーはJoBlo.comに声明を送った。声明では「2006年から2008年にかけて製造されたDVDタイトルの一部に潜在的な問題があることを認識しており、お客様と協力して不良ディスクを交換している。不良ディスクは可能な限り同じタイトルと交換しているが、影響を受けたタイトルの中には、すでに製造していないものや、権利が失効したものもあるため、お客様に同価値のタイトルとの交換を提案している」としている。カスタマーサポートチームのメールアドレス、whv@wbd.com でコンタクトを受け付けている。
ワーナーの同時期のDVDは、日本盤と米国盤とで工場が異なる場合もあるが、メキシコや北米の工場でプレスしたディスクを日本向けに流用するケースもあったと考えられる。同時期に購入したワーナーのDVDをいまも保管している場合、ディスクの状態を確かめてみることをおすすめする。